直木賞受賞作家・朱川湊人氏と、『テレビでハングル講座』(’14年、NHK Eテレ)にレギュラー出演し日本・韓国で活動する韓国人モデル兼タレントのジュラン(Juran)さんのふたりが韓国の国民食や習慣などについてあれこれ(韓国語でイゴチョゴ이거 저거)対談。昭和生まれの朱川氏が平成生まれのジュランさんとの世代格差にも負けずと韓国の常識を学びつつ新たな発見をしていきます!
聞く人
朱川湊人(しゅかわみなと)
1963年1月7日生まれ
’05年『花まんま』で直木賞受賞
答える人
ジュラン
1989年9月18日生まれ
’14年NHKEテレ「テレビでハングル講座」レギュラー
第1回「“ジャージャー麺”ってなんですか?」
女性自身WEBをご覧のみなさん、こんにちは。
作家のシュカワです。
いつもは小説を書くのを主な仕事にしているワタシですが、実はみなさんと同じように韓流好き。と言っても、KARAの日本デビューをきっかけに足を突っ込み、その後はガールズグループ中心に韓流を楽しんできた“プチハマり”おじさんです。この間も自称・濃い韓流ファンの人から、「まだまだ素人だな」と上から目線で言われてしまいました。それは認めるけど、どうして、そんなに偉そうなの。
けれど、いわゆる“プチハマり”だからこそ、濃い人にとっては当り前なことが気になってしょうがないわけです。特にドラマや映画を楽しむようになってから、首をヒネることもしばしば――近くの国なのに、やっぱり文化が違うんだなぁ……と思いつつ、そこがエキゾチックで面白かったりもするんですね。
そこで、そういう疑問を楽しく解決しちゃいたい……というワタシの願望からスタートしたのが、このページです。濃い人も薄い人も、いっしょにユルく楽しく韓国の文化を、勉強しちゃいましょう。
さて、いきなりですが、“ジャージャー麺”。
例の黒い焼きソバみたいな食べ物ですけど、韓ドラを見ていると、ホントによく出てきますよね。子供や美女、時には怖い顔をしたお兄さんが、口のまわりを真っ黒にして食べまくってますが、あれがワタシにはフシギでした。てっきり向こうの人は、焼き肉とかビビンパとかサムゲタンなんかを日常的に食べているんだろう……と思っていたからです。
ドラマ「ファンタスティック・カップル」より
けれどドラマを見ると、何となく日本のラーメンのノリで、みんなズルズルやってます。盛岡名物の“じゃじゃ麺”と、よく似ているけれど違う雰囲気。あれって、どんな味なんでしょう。
ジュラン 「シュカワさん、ジャージャー麺は韓国では、国民食と言っていいくらい、人気がありますよ」
シュカワ 「あっ、某公共放送『テレビでハングル講座』に出演していたジュランさんじゃないですか! ワタシ、見てましたよ! アンニョンハセヨ」
ジュラン 「ありがとうございます。アンニョンハセヨー」
シュカワ 「すごーい、ホンモノだ(←ミーハー)」
ジュラン 「シュカワさんに、いろいろ教えてあげるように言われて来ました」
シュカワ 「なるほど、やっぱり現地の人に聞くのが一番早いですものね。こいつはスゲェや」
ジュラン 「えーっと……とにかくジャージャー麺は、とっても人気のあるメニューの一つですよ。向こうの発音で正しく言うと、『チャジャンミョン』ですね」
シュカワ 「チャジャンミョン……麺は“ミョン”と言うんですね。メモしておこう……それで、どんな味なんですか」
ジュラン 「少し甘めで、子供から大人にも食べられる味です。でも、まだ辛いものが得意じゃない子供に、特に人気があるみたいですね」
シュカワ 「韓国の料理って、辛いものが多いですからね。韓国で辛いものが苦手な人は、人生のハードルが高くなっちゃいそう」
ジュラン 「いきなり人生って(笑)……まぁ、ちょっと大変かもしれません」
シュカワ 「ジュランさんも、よく食べました?」
ジュラン 「もちろんですよ。子供の時も好きでしたけど、学生の頃も食べました。配達を頼めば、どこにでも持って来てくれるんです」
シュカワ 「あぁ、学食なんかに持って来てもらうんですね。そう言えば韓国版『ドラゴン桜』の主人公も、チャジャンミョンを配達してたっけ」
ジュラン 「学食じゃなくても、外のベンチにでも持って来てくれますよ。たとえば、お休みの日の漢江の河川敷には、たくさんの人が遊びに来ていますけど、頼めば、ちゃんと持って来てくれます。だいたいの場所を決めておけば、「チャジャンミョンを頼んだ方―!」って、大きな声で探してくれるんです」
シュカワ 「頼む方も配達する方も、根性入ってるなぁ。そういう場合は、やっぱり値段が少し高くなったりするんですか?」
ジュラン 「なりません。もともとチャジャンミョンは、値段が安いのが魅力の一つなんです。たとえばシュカワさん、チャジャンミョンは、一つ、いくらくらいだと思いますか?」
シュカワ 「そうですねぇ……日本のカレーライスやラーメンのノリで考えると、700円とか800円くらいですか」
ジュラン 「いえいえ。向こうのお金で4000ウォンから5000ウォンくらいです。日本のお金に直すと、だいたい500円くらいですよ」
シュカワ 「おっ、ワンコインじゃないですか」
ジュラン 「韓国のコインは、500ウォンまでですけどね」
シュカワ 「なに、その冷静なツッコミ(笑)」
……というわけで、いよいよ次回は実食です!
撮影/Jhoney TERASAKA
取材/上原由加奈 轟友貴
協力/Korean Dining KOSARI TOKYO:http://www.kosari.jp/
ジュラン公式サイト WELCOME♡JURAN SMILE:http://www.juran-smile.com/