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直木賞受賞作家・朱川湊人氏と、『テレビでハングル講座』(’14年、NHK Eテレ)にレギュラー出演し日本・韓国で活動する韓国人モデル兼タレントのジュラン(Juran)さんのふたりが韓国の国民食や習慣などについてあれこれ(韓国語でイゴチョゴ이거 저거)対談。昭和生まれの朱川氏が平成生まれのジュランさんとの世代格差にも負けずと韓国の常識を学びつつ新たな発見をしていきます!

聞く人

image朱川湊人(しゅかわみなと)
196317日生まれ
’05年『花まんま』で直木賞受賞

 

 
 

答える人

imageジュラン
1989918日生まれ
’14NHKEテレ「テレビでハングル講座」レギュラー

 

 

 

第3回「“ジャージャー麺”のバリエーションって」

話を聞いてみると、なるほど、韓国でのチャジャンミョン人気は相当なもののよう。私の持ったイメージでは、それこそ日本におけるカレーライスやラーメンと近い次元で愛されている大衆料理なのでしょう。

そうなると、気になるのはバリエーション。

ラーメンならば味噌ラーメン、塩ラーメン、とんこつラーメンなど、いろいろ味に変化があります。カレーなら定番以外の具材を入れたり、いろんなトッピングを載せたりすることも珍しくありません。チャジャンミョンにも、そういうのはあるんでしょうか?

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ジュラン 「シュカワさん、また独り言ですか?」

シュカワ 「ですから、読者のみなさんに説明してるんですって。そういうページなんですから、早く馴れてください……で、チャジャンミョンには、どんなバリエーションがあるんでしょうか?」

ジュラン 「上にトッピングを載せるようなのは、あまり見たことがないです。やっぱり混ぜ合わせて食べるものだからでしょうね。どこのお店でも、こんなふうに別のお皿で、たくあんや生タマネギをスライスしたものが出てきます。もちろんキムチが出る場合も、ありますよ」

シュカワ 「そうそう、この生タマネギが、ポイント高いですよね。チャジャンミョンは甘口でコッテリした味ですから、いい口直しになります。口の中がサッパリして、何ともクセになる組み合わせですよ」

ジュラン 「そうでしょう(笑)」

シュカワ 「それで、バリエーションの方はどうですか」

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ジュラン 「どれもヤンニョムベースですが、いろいろありますよ。たとえば、『イェンナルチャジャンミョン』。これは“昔のチャジャンミョン”という意味です。具が多めで、大きめに切ったジャガイモを入れたりします。少し薄めの味が特徴ですね」

シュカワ 「豚肉とタマネギにジャガイモと来れば、何となくカレーっぽい具材ですね」

ジュラン 「それに『サムソンチャジャンミョン』。これはイカや貝などの海産物を、具にしたものですね。だから『ヘムルチャジャンミョン』と言うこともあります。でも、魚は入れません」

シュカワ 「なるほど、シーフード・チャジャンミョンですね。それもおいしそう……今度はそれで」

ジュラン 「もう次の話ですか(笑)。バリエーションは、まだありますよ。『カンチャジャンミョン』は、ヤンニョムを油で炒めたもので麺を食べます。これは片栗粉でとろみをつけないで、ソースと麺が別々に出てくるのが特徴ですね。釜山なんかでは、このソースの上に目玉焼きが載っていたりしますよ」

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シュカワ 「おっ、それもいいですね。じゃあ、次はそれで」

ジュラン 「(あえて無視して)あと『ユニチャジャンミョン』は、豚肉を多めに入れたものですね。味はカンチャジャンミョンに似ています」

シュカワ 「次は、それで……」

ジュラン 「じゃあ、『チェンバンチャジャンミョン』は説明しなくていいですか?」

シュカワ 「いえ、お願いします(苦笑)」

ジュラン 「チェンバンというのは、お盆のことですね。お盆みたいな大きなお皿に入っていて、みんなで分けて食べます。それに日本のソバ焼きみたいに炒めてありますから、味も違いますよ」

シュカワ 「ソバ焼き? あ、焼きソバのこと?」

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ジュラン 「すみません、間違えました(笑)。日本語、まだ上手じゃないんです。やっぱり小説家のシュカワさんは、そういうところのチェックがキビしいですね……何かオトナげないって言うか、細かすぎるって言うか、器が小さいと言うか」

シュカワ 「日本語、十分にうまいじゃないですか(笑)」

ジュラン 「ところで、もう麺は食べ終わりましたか?」

シュカワ 「えぇ、さっき母の姿がチラリと見えた時に、ほとんど」

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ジュラン 「でも器の中に、ソースがいっぱい残ってますね。これで、もう一つの人気メニューになりますよ。ゴハンを入れて、『チャジャンパプ』です」

[ここで茶碗一杯分のゴハンを、残っていたヤンニョムの中に入れるジュランさん]

ジュラン 「こうして、ヤンニョムを白いご飯にかけて食べます。チャーハンにかけるのも、人気がありますね」

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シュカワ 「これは……まさしく昭和家庭のハヤシライス!」

ジュラン 「もちろん、混ぜて食べますよ」

シュカワ 「どこか大阪の“名物カレー”を思わせますけど、これもおいしいですね。うん、麺もゴハンも、すごくヤンニョムと相性がいいです。やっぱりスプーンで食べるんですね」

ジュラン 「チャジャンパプに限らず、韓国ではゴハンはスプーンで食べますよ。お箸は、おかずを食べる時に使いますね」

シュカワ 「それは前に聞いたことがありますけど……それにしてもジュランさん、モデルさんなのに、けっこう食べちゃうんですね。意外だなぁ」

ジュラン 「……ちゃんと食べて、いっぱい運動するのが、私の健康法です」

シュカワ 「そうなんですね……あっ、ホントは、けっこう怒ってるんじゃないですか? 何だか目力が、怖いくらいに強くなってますけど。て言うか、完全に睨んでますよね、ワタシのこと」

ジュラン 「気のせいですね」

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どこか不機嫌な口調になったジュランさんに緊張しつつ、次回へ!

 

撮影/Jhoney TERASAKA

取材/上原由加奈 轟友貴

協力/Korean Dining KOSARI TOKYO http://www.kosari.jp/

 

ジュラン公式サイト WELCOME♡JURAN SMILE http://www.juran-smile.com/

 

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