image

 

子の結婚というのは、親ばなれ子ばなれの結果をソトに見せる瞬間である。一歩間違えば親としての醜さと人としての未熟さを露呈し、一方うまくすれば美談として語り継がれ人間性を再評価される、いわば人生をかけた一大イベントです。

 

だからこそ松田聖子さん(55)の娘・神田沙也加さん(30)の結婚に関するニュースは、世の関心を集めるのだと思います。

 

5月13日に都内で結婚披露パーティを行った沙也加さん。そこには世間が期待するような母娘のお涙頂戴劇はなく、またドラマのような絶縁物語もありませんでした。あるのはただただ幸せにノロけまくった沙也加さんと、まったく笑顔を見せない夫の村田充さん(39)の姿のみ。父である神田正輝さん(66)の姿もありませんでした。

 

近年二世タレントが乱発されるなか最大級の期待を背負ってデビューし、そして親の呪縛に苦しんだ末に1人の“芸能人”としてやっと評価をつかみとった沙也加さん。思春期にはいじめにあったり母と距離をおいたりと、とにかく壮絶。その苦労を世間も十分に理解しているからこそ、彼女の幸せにはついつい優しい言葉をかけたくなってしまうのです。

 

母は現在6月のツアーに向けて準備中で、娘の結婚に関してコメントはなし。裏側にどんなドラマがあったかはわかりませんが、アイドルでも歌手でも母でもなく“オンナ”としての姿がいちばんニオってくる聖子ちゃんの「無言のコメント」というリアクション。そこには「聖子ちゃんなりの深い意味がある!」と勝手に解釈いたします。

 

深い意味とは、松田聖子から神田沙也加への“同じ業界人”としての祝福と宣戦布告です。そう、神田沙也加さんは結婚を通過することで親の呪縛から解放され、聖子ちゃんという怪物と初めて肩を並べられるようになった。いや、聖子ちゃんが肩を並べたと認めたのです。

 

とはいえ世の中の風向きは、思った以上に沙也加さんのほうへ向いているのかもしれません。今回の結婚報道を聞いた人のなかには「神田沙也加が松田聖子の娘だって初めて知った!」という若い世代のリアクションが多数あったのです。考えてみれば沙也加さんがデビューしたのはもう15年も前の話。今の中高生は、松田聖子よりも神田沙也加の活躍をより目にしている世代なのです。

 

だからといって松田聖子さんの功績が霞むわけではありませんが、毎年のディナーショーや海外拠点の音楽活動に精を出している聖子ちゃん。一生かけて歌手・松田聖子を貫くのなら、“懐メロとして松田聖子を認識する世代”にその圧巻の存在感を見せつけてはどうでしょう。いや、それが娘と形ばかりの決別をした母が見せる1つの生きざまなのかもしれません。

 

あともし可能なら娘さんにお伝えいただきたいことがあるのですが、やっぱりノロケモードだとしても30代カップルのペアルックは痛い。それだけは、母からしっかり伝えていただきたいものです。「数年後2人の関係に変化があったとき後悔するわよ」と……。酸いも甘いも噛み分けた母だからこそ、これも言える言葉でしょう。

関連カテゴリー: