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たまに息子の友達のお母さんとお茶をします。学校からの連絡だけでは、息子が今どのような環境のもと、どのような仲間たちの中で生きているのかが分からないからです。情報収集を兼ねて、フランス人のママ友、ときにはパパ友とお茶をすることにしています。

最近、このようなことが話題に。 「G君の家のご両親が離婚して、G君は両親の家を行ったり来たりしているのだけど、パパにもママにも新しい恋人がいて、彼はいつも1人。だから、言葉遣いが荒れて、耳を疑うようなことを言います。G君は要注意ですよ」

と。離婚が原因で子供の心が荒み、言動が過激になっているので近づかないほうがいい、という意見でした。しかし、このG君、うちの子の親友なんです。2人は最近急接近。理由が分かりました。親の離婚が共通していたんですね。確かにG君、親を罵倒するびっくりするようなことを口にします。G君が帰った後、息子に彼の言葉遣いについて問うと「まあ、今はしょうがないよ」とのことでした。息子にはG君の気持ちが、孤独が誰よりもよく分かるんですね。うちは離婚後、息子の傍に寄り添ってきたので、彼には反抗期もなくいい子に育っています。周囲の友人らの協力のお陰もあります。でも、G君の場合、居場所がないのですから、かわいそうです。

パパさんは彼を遠ざけるのではなく、彼の避難場所をつくってあげようと思いました。彼が来るときは息子の兄弟のように接することにしたんです。パパさん手作りのおやつを2人は「美味しい美味しい」と言って仲良く食べます。両親に向けた悪口を言うとき、私は叱ります。そういう大人でありたいからです。G君だって素直に生きたいはず。居場所は周辺の大人がつくってあげればいいんです。裏側でこそこそ陰口を言うのはよくありませんね。G君は今、息子の親友です。私は2人が大人に成長した後も、仲のいい本当の友人であり続けることを願っています。

さて、今日は2人にもよく作る、「じゃがいものガレット」をご紹介します。これ、フランス料理の付け合わせ(ガルニチュール)として有名ですね。だから、今までご紹介することもなかったのですが、おやつにいいと思って、ツイッターでレシピをアップしたところ思わぬ大好評。たった1日で5,000以上の「いいね」がついてしまったのです。こういう簡単なものをみなさん知りたいのだな、とやっと気が付きまして(笑)、このたび、改めてご紹介させていただくことになりました。

超簡単・超絶美味い「じゃがいものガレット」。

材料:じゃがいもとゲランドの塩(岩塩)、油。以上(笑)。

まず、じゃがいもの皮を剥き、千切りにします。最初のポイントです。千切りじゃがいもは絶対に水で洗ってはいけません。なぜなら、でんぷん質がつなぎになるからです。洗うとでんぷん質が落ちてしまいます。フライパンに多めの油を引きます(うちは普通のサラダ油を使用。じゃがいもは何でも可)。ひとつかみ、約80gのじゃがいもをフライパンに置き、スプーンなど使って、円形に整えます。中火でじっくり、焦らず、火を入れましょうね。ヘラで少し様子を見てください。10分くらいするといい焼き色がついてきます。下面がカリッとしたら、ひっくり返します。お好み焼きのように、ヘラを2本使うと便利ですよ。多少、崩れたら、また整えてください。そして、ここが第2のポイント。ヘラで上からギュッと押さえつけるのです。さらに数分焼きます。最後に、強火にして両面にサッとこんがり焼き色を付けたら完成。ゲランドの塩をふりかけ、あつあつのうちに食します。G君も息子も大喜びの絶品ガレットですよ!

ボナペティ!

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

 

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