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離婚の後、なんとか人生を仕切り直さなきゃと始めたのが親子旅です。落ち込んでいた子供を励ますのに旅は最適でした。旅先では協力しないとやっていけないわけですから、旅を通して2人の関係は強固になりました。この2年半、父子が行った街は以下の通り。ロンドン、バルセロナ、ミラノ、ナポリ、イスキア、ローマ、コペンハーゲン、マルメ、ストラスブール、ホノルル、トールヴィル、コルシカ、ボルドー。すごいですよね。あ、日本も北から南まで移動しましたよ。

 

旅先でしか話せないことってあるんです。家の中では生々しいことでも、遠方に行くと話せたりする。きっと旅先だと親子関係が互角になるからでしょうね。友達みたいになります。腹を割って話すことが出来るから不思議です。父子の旅を続けることで息子は実に逞しく成長を遂げました。大西洋や地中海、ドーバー海峡や北海の海に向かって「ばかやろー」と叫びました。

 

そして、先月、ついにロシアの首都、モスクワに我々は到達したのです。彼のクラスに3人のロシア人がいます。その子たちと仲良くなる過程で息子はロシアに興味を持ったわけです。

 

「じゃあ、ロシアに行ってみようよ」ということになりました。パリから飛行機で3時間半、東京から石垣島に行くような距離です。

 

個人的には本場のピロシキやボルシチを食べたかった。ホテルの人に教わり、伝統的な家庭料理のレストランに通いました。そして、注文したピロシキに舌を巻きました。日本だと必ずカレーパンのように揚げてないですか? 本場は揚げてないんです。めちゃくちゃショックでした。オーブンで普通に焼いているだけ。でも、だからこそ、ヘルシーでいくつでも食べることができます。肉、マッシュルーム、キャベツなど様々な味のピロシキがありました。

 

美味しいものを探す旅、これに尽きますね。うまいねー、と笑いあう。美味しい記憶が家族の絆を強めます。反抗期、思春期なのによい子に育っているのは、旅を通して繋いだ絆のおかげであろうと思われます。さて、今日はその本場ロシアのピロシキを作ってみましょう。ロシア人シェフ直伝のレシピでお送りします。

 

材料:パンの材料は、強力粉300g、塩小さじ1、砂糖大さじ1、ドライイースト小さじ1、バター25g、卵半個(溶いて2つに分け、残りは焼く前のつや出しに使う)、牛乳160㏄。

 

具の材料は、牛ひき肉300g、玉ねぎ中1個、コリアンダーお好みで、塩・こしょうを適量、白ワイン半カップ。

 

①大きいボウルにパンの材料を入れ、混ぜ合わせる。
②生地が1つにまとまったら台の上にのせ、生地をしっかり押し伸ばしながら15分くらい捏ねる。
③生地が滑らかになったら1つに丸めてボウルに移し、生地の上にふわっと濡れ布巾をかけボウルにラップをし、なるべく暖かい場所で1時間ほど発酵させる。発酵させている間に具を作る。
④サラダ油を引いたフライパンに強火で牛ひき肉を焼きつけ、しっかり焼き色をつける。
⑤玉ねぎを加えて一緒に炒め、白ワインを入れ、塩・こしょうで味つけする。お好みでみじん切りにしたコリアンダーを加える。
⑥1時間後、生地が2倍くらいに膨らんだらボウルから取り出し、16等分にする。
⑦生地をきれいに丸め、ラップをかけて15分くらい休ませる。
⑧生地を伸ばして具をつめ、形成する。生地を伸ばす時のコツは、具を包んだ時に底が分厚くなりすぎないよう、真ん中に厚みを残し、周りを薄くすること。
⑨残りの卵を生地の上からハケで丁寧に塗り、200度のオーブンで15~20分焼いたら出来上がり。奪い合いになるくらい美味しい、本格的なピロシキです。

 

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エッセイで紹介されたレシピは、
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