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息子が最近、子供部屋のドアを閉めるようになったのです。来ましたね~、ついに(笑)。もう13歳ですからしょうがないです。先日、ゲームについて小言を言ったのです。面識のない不特定多数のゲーマーたちと会話をしながら遊んでいました。フランスはテロリストもおりますし、どのような勧誘があるかわかりません。親が認めないものはさせられないと告げると、言い合いになってしまったのです。彼はそのゲームの管理人が有名なユーチューバーで厳格な規則がある、と言い張ります。

 

学校は許可しているのか、と訊き返すと、それはわからない、と俯きました。学校側も細かいところまで監視が出来ません。これは親の責任ですから、自分もそのゲームをやり、中身を知ることにしたのです。管理人がしっかりしていて、サイト内でお互いの身元を明かさないことがルール付けられておりました。しかし、それでも不安ですね。ISなどのテロリストはそういうゲーム内で暗号名を用いミーティングしているという話をよく聞きます。より世界は複雑になっているわけです。

 

しかし、頭から拒否してもよくありません。学校や友人の親御さんたちと連携し、子供が危険な世界に入らないよう最大の注意を払っています。私たちが子供の頃には想像もできない世界がパソコン内には存在しているわけです。それを知らないといって見ないわけにもいきません。シングルファザーですからね、そういうことを相談できる人も少なく、気苦労も絶えません。まずは、話し合うことです。最後は、お前に何かあったら生きていけない、と情に訴えるしかないのです(笑)。

 

さて、先週に引き続き、ウィーンで料理の先生をやっております私の従妹のレシピで、とっても美味しい牛肉のパプリカ煮込み「グーラッシュ」を一緒に作りましょうね。美味しい上に、寒い季節にはもってこい。体が温まりますよ。

 

材料:煮込み用牛肩肉1kg、玉ねぎ1kg、サラダオイル大さじ6、パプリカパウダー50g、酢大さじ2(ワインビネガーでも可)、水または牛肉スープ適量、塩適量、にんにく2片(小さければ3片)、クミンパウダー小さじ1、レモンの皮適量(ピーラーでひとむき程度、有機栽培のレモンで黄色い皮の部分を薄くむいてみじん切り、親指の大きさぐらいの量)、トマトピューレ大さじ1、マジョラム小さじ1(ハーブの一種。なければよい)、小麦粉大さじ1。

 

まず、あらかじめ以下の下準備をします。玉ねぎは、皮をむいて縦半分に切り、縦に細めに切っておきます。牛肉は、大きめに切り分けておきます。4~5cm程度かな。にんにくは潰してください。レモンの皮少量を細かく刻んでおきます。酢は、大さじ6の水で薄めておきます。

 

ル・クルーゼみたいな大きめの鍋にサラダ油を入れ熱し、準備しておいた玉ねぎをきつね色になるまで炒めます。ちょっと時間がかかりますが、ここで根気よく炒めておくと仕上がりがぐっと美味しくなりますよ。焦げつかないように。そこにパプリカパウダーを入れ、手早く全体にからめます。さらに少量の水で薄めた酢を入れ、少し蒸します。5分ほど置いたら、そこに牛肉、塩、にんにく、マジョラム、クミンパウダー、レモンの皮、トマトピューレ、牛肉ブイヨンスープ500cc程度(ひたひたになればOK)を入れよく混ぜ、蓋をちょっとだけずらして煮込みます。基本は4時間、ぼくは7時間コトコト煮込みます。表面全体に赤茶色い油膜が浮いてきたらほぼ完成。最後に、お好みで大さじ1の小麦粉を少量の水でよく溶いて全体に回し入れ、とろみがついたら完成。

 

玉ねぎ1kgの力はすごいです。食べたら全身ぽっかぽか。冬を家族で乗り切るのに最適な料理です。しかも超絶にうまいです。ぜひ、お試しください。

 

ボナペティ!

 

エッセイで紹介されたレシピは、
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