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「パパ、言い忘れてたんだけどね、明日、ショーソン・オ・ポムを持っていかないとならなくなったんだよ。大丈夫かな?」夕飯を食べている最中の不意打ちでした。

 

「え? なんで今頃? 何人分?」「出来れば30人分だけど」

 

ということで、慌ててスーパーに走りました。シングル家庭ですからね、こういうのがいちばん困るんですよ。「パパはスーパーマンじゃないんだからさ、前もって言ってもらわないと困るよ」とはいえ、文句を言っても仕方がありません。ともかく、息子を助手にして、作ることになりました。

 

ショーソン・オ・ポムとはアップルパイのことです。確かに作るのは簡単なんですが、30人分と、量が半端じゃありません。結局、ピザくらいの大きさのアップルパイを2つ作って持たせることになりました。オーブンさえあればとっても簡単に出来て、しかも美味しいお菓子です。誕生日とか、パーティとかに重宝しますよ。どうですか? 今日のおやつに。一緒に作りませんか?

 

それでは、さっそく、材料2つ分です(ご家庭用の場合は半量で十分です)。

 

パイ生地(285gくらいのもの)2枚、りんご正味1㎏(やわらかいもの)、バター40g、砂糖100g、バニラ1房、レモン汁小さじ1、水適量、卵1個、粉砂糖少々。

 

事前に、オーブンを200度に予熱しておきましょう(パリッと焼くためには十分な予熱が必要です)。

 

まず、りんごのコンポートを作りますね。鍋にバターを溶かし、キューブ状に切ったりんごをソテーします。りんごにバターがなじんだら砂糖を、それから包丁の背で取り出したバニラビーンズと房を加え、蓋をして中火で煮ます。りんごがやわらかくなってきたら木べらでりんごを潰していきます。りんごから水分が出てきますが、水分がなくなってきたら水を足しながらやわらかくなるまでしっかり煮ましょう。りんごによって甘さが違うので、途中、味見をして甘味が足らなければ砂糖を足してください(ゴールデン種など崩れやすいりんごが最適です)。りんごがやわらかくなり、全体にツヤが出てきたら水分を飛ばし、レモン汁を加えて一混ぜしたら完成です。

 

さて、次は生地作りにまいりますよ。市販のパイ生地を広げ、上半分の縁にはけで溶き卵を塗ります。上半分に先ほどのコンポートを敷きつめ、縁のギリギリまでしっかりコンポートを入れてください。生地を2つに折りコンポートを包みます。閉じ口を軽く指で押さえ、重ねた縁に、ナイフの先で1cm程度の切り口を1cmの等間隔でつけていきます。ナイフで両面を切って閉じていくという感じですね。

 

それから生地の表面に柄を描き、数カ所ナイフの先で空気穴を開けます(私は葉っぱの柄にしました。きちんと柄を出すために、ナイフ線は出来るだけ、縁に近いところまで引いてください)。艶出し用の溶き卵を全体に塗り、200度に温めておいたオーブンに入れ、30~40分焼きます。焼きあがったら一度オーブンから取り出し、上から粉砂糖を茶漉しなどでまんべんなくふりかけ、5~10分オーブンに戻し砂糖を溶かします。表面の粉砂糖が溶けてキャラメリゼされたら完成です(粉砂糖を溶かす時は焦げないよう、しっかり見張っていてくださいね。粉砂糖が溶けない場合は水をつけたはけで上からそっとなぞると粉砂糖がジュワッと溶けます)。

 

さ、見事なアップルパイが出来ました。温かいうちに食べるのも最高ですが、実は、少し時間がたってもとっても美味しいんです。ちょっと面倒なので、写真付きレシピを女性自身のウェブサイトに載せておきます。参考にしてください!

 

ボナペティ!

 

 

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