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シングルファザーは楽しいです。嘘じゃありません。「1人でお子さんを育てられて大変ですね?」とよく同情されますが、そんなことはないんです。子育てという新たな使命と目標が加わり、人生にある種の張り合いが出ています。子育てと仕事は両立できますよ。息子の協力は必要ですけど、パパの頑張る姿は間違いなく息子にも影響を与えています。人生って誰かのために生きたほうがいいんですよ。自分のために生きてるだけでは結局ダメになります。

 

自由というものを人は勘違いしています。自由に生きるんだ、といって人に迷惑をかける人ばかり。自由という発想は不自由から生まれました。周囲に迷惑をかけている人は、ただ勝手気ままでダメな人間に過ぎない。そういう人を自由と呼んではいけません。自由というものは、約束とか制約とかがひしめく人生の中でこそ、誰にも支配されずに、その不自由な環境の中で自分らしく胸を張って生きようじゃないか、と奮起する意思に宿るものなのです。考えてみてください。羽生選手が氷上を自由に美しく舞う姿の背後には人知れない努力や涙や苦労があるわけです。だからこその自由じゃないでしょうか? 自由の権利は人間であればたいがいの人には生まれながらに与えられているもの。でも、それを活性化(アクティベート)させなければ本当の自由は手に入らないという仕組みです。

 

先日、イギリスの牧場に行きました。そこは出産牧場と呼ばれている、サラブレッド競走馬が生まれる場所です。馬が仔馬を育てる光景を見たことありますか? 人間以上に人間らしいんですよ。美しく、神々しい。仔馬は母親馬の足元で安心して寝ています。親馬は周囲を見張り、仔馬と遊び、お乳を与えています。なんともほほえましい光景で、胸を打たれました。

 

子育て、家事を大変だと思うことは間違えているな、とこの親馬から教えてもらったのです。神様に試されているんですよ。そう考えるとさらに強い使命感が生まれてきます。仕事も頑張り、子育ても頑張る。私はどちらも人一倍やって生き抜いてみせたい。誰のために? それはもちろん息子のためにです。シングルだからといって、自分を犠牲にする必要はありません。ちゃんと両立できる、ということを私は証明する自信があります。スケジュール管理さえできれば可能です。時間を手なずけてしまえばいいんです。多少は息子の協力も必要です。でも、誰の犠牲も必要としません。自分が頑張れば子供は幸せになります。大変だからこそ、やりがいのある楽しいことでもあるのです。

 

さて、今日は、育ち盛りの息子にとっても大好評な「辻家のメンチカツ」をご紹介したいと思います。

 

材料:豚ひき肉300g、玉ねぎ300g、塩麹大さじ1、味噌大さじ1、マヨネーズ大さじ1、砂糖大さじ2分の1、酒大さじ2、(衣用に)卵・小麦粉・パン粉を各適量。

 

ボウルに衣用以外の材料全てを混ぜ合わせ、手でしっかりこねる。小麦粉、卵、パン粉をつけ、低温でじっくり揚げる。簡単でしょ? なので、塩麹のレシピもついでに。

 

材料:生米麹200g、塩70g、水250㏄。

 

まず麹と塩をよく混ぜ合わせ、保存容器(熱湯消毒などしたもの)に入れる。そこに麹がひたひたに浸かるまで水を加え、よく混ぜる。1週間から10日間ほど冷蔵庫で保存しましょう。毎日混ぜるのがポイントです。初めの数日は麹が水を吸って水の量が減ってくるので、その都度ひたひたになるよう水を追加してください。4~5日してくると発酵の良い香りがしてきますよ!

 

さ、手製塩麹入りのメンチカツで、家庭円満、ママ万歳!

 

ボナペティ!

 

 

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