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14歳の息子が大学進学へむけて動き始めました。というのも息子の学校では、中学4年の時(日本の中3にあたります)に文系か理系か経済系か、進路を選択しないとなりません。高校卒業時に大学入学資格を得るためのバカロレアという試験があり、このタイミングで早くも大学での専攻を決める必要があるのです。

 

そこで数少ないパリの友人、ファッションデザイナーの佐藤康司氏を呼び出し、息子の将来を考える会を開きました。これはとっても有意義でした。まず、14歳で未来を選択することの難しさについて話をし、それでも今決めないとならないのがフランスのやり方ならみんな同じ条件だから仕方ないなということになって、とりあえず息子の考えを2人で聞くことになりました。すると、息子は自分なりの考えをすでに持っていたのです。「文系だと就職が難しい。理系は数学が苦手だからやっぱ難しい。でも経済系ならば文系と理系のちょうど間だし、僕は語学も得意。就職にも有利だから、ここにする」もちろん大人2人に異論はありません。

 

それから佐藤氏が自分の経験を語りだしました。大学卒業後一度サラリーマンになったが夢を捨てきれず、フランスに渡りデザイナーを目指しました。彼はフランスのデザイナー、ミッシェル・クランの右腕だった男です。41歳で自分のブランドを立ち上げるまでの苦労話に花が咲きました。

 

父ちゃんも負けてはいられません。大学を中退しバンドを結成。作家になり、フランスに渡ってからの今日までの悪戦苦闘を語りました。「人生というものはそうそう思い通りにはならないけど、自分で切り開いていくしかないのだよ」と。

 

佐藤氏が帰った後、息子がこんなことを言ったのです。「パリにいる日本人は少ないけど、みんな家族みたいだね。僕にはパパしかいないけど、日本人なのに海外で頑張っている人はみんな僕の親戚みたいだ。力強かったよ。頑張る」。思わず、ぐっとこみあげてくるものがありましたが、そこで泣くわけにはいきませんから、息子の肩をぽんと力任せに叩いてやり「人生を楽しめ!」とおやじ節全開で言ってやりました。生きるのって大変だけど、時々、感動もありますね。よかったよかった。

 

さて、本日は寒い日に家族で温まるアジア風辛味噌鍋を一緒に作りましょう。

 

鶏団子材料:鶏ひき肉300g、みじん切りにした長ねぎ5㎝、塩麹大さじ1、卵1個、味噌大さじ2分の1、片栗粉大さじ1、ごま油大さじ1、酒大さじ1、柚子こしょう小さじ2分の1、生姜すりおろし小さじ1、れんこん適量。

 

スープ材料:水700cc、ウェイパー大さじ1、味噌大さじ1、昆布5cm程度。

 

つけダレ材料:ごま油小さじ1、塩小さじ2分の1、コチュジャン小さじ2分の1。

 

その他材料:だいこん適量、長ねぎ適量、豆腐適量、キムチ150g、お好みでラーメン150g程度、バター少々。

 

まず、ボウルに鶏団子の材料を入れ、粘り気がでるまでよく混ぜ合わせておきます。お好みで粗みじん切りにしたれんこんを入れるのもおすすめです。鍋に水を入れ、昆布とウェイパーを加えてスープを作ります。火の通りにくいだいこんを最初に、中火で炊きながら豆腐や長ねぎも加え、野菜全体に火が通ったら味噌を加えていきます。そこに鶏団子のタネを木べらなどに塗って盛り、フォークなどを使い2cm幅で削ぐようにカットして、煮立った鍋の中へ投入していきます。博多水炊きを食べた時にこの方法だったのです。最後にキムチを入れて一煮立ち。器につけダレとなるコチュジャン、ごま油、塩を入れたらそこに具をとって食べます。締めのラーメンが最高、少量のバターをのせて召し上がれ。

 

ボナペティ!

 

 

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