風を感じると、ストレス解消になるらしい。
そんな噂を聞きつけてサーキットへ訪れたわたしは、
免許不要で子どもから大人まで体験できるカートに挑んだ。
スピードの気持ちよさに迫る!!
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!
「自動車系の趣味は男性のモノ」と、多くの人が思っているかもしれない。
わたしもかつてはそう思っていたが、とある友人が「それが違うよ」と教えてくれた。
彼女は自動車をこよなく愛するスピード狂だったのだ。
「一体スピードの何が彼女を魅了するのだろう」と興味深く思っていたが、ようやく免許さえ持っていないわたしでもスピードを味わえるモノを見つけた。
『カート』だ!
カートとは必要最低限のエンジンやタイヤなどを搭載したシンプルな乗り物で、
免許不要で145センチ以上の子どもから大人まで楽しむことができる。
サーキットは安全に考慮して作られているため、
無茶をしなければ危険もない。
わたしは意を決して、大阪の『舞洲インフィニティサーキット』にお邪魔した。
広々した空間に、どでかいコース。
隣接する建物に入ると、受付や準備スペースがある。
受付を済ますとわたしの履いていたズボンがなびいて危なそうだということで、スウェットを貸してもらうことになった。
さすが「手ぶらでOK」というだけあって、サポートが手厚い!!
更衣室で着替えたのち、簡単な講習を受ける。
「アクセルは右、ブレーキは左です。何かあったら、その場で止まってください(意訳)
説明までシンプル!!
乗り物がシンプルなら、操縦も至ってシンプルらしい。
とはいえ、自転車に乗れるようになったことさえたった2年前のわたしが
カートなんて運転できるのか……。
緊張でバクバクしながら、フェイスマスクをかぶり、ヘルメットを着用した。
すごくしっくり来てない。
不安を滲みだしながら、サーキットへと向かった。
クッションで体にフィットするように調整してもらって、カートにまたぐ。
思った以上に地面が近い。
スタッフの人がエンジンをかけると、体の真後ろで勢いよくブゥウゥゥン!と唸り始める。
「もうアクセル踏んだら動きますので!」
わたしは弱々しくアクセルを踏みだした。
カートでは地面が近い分、スピードを感じやすい。
ビビリなわたしはアクセルを触れるか触れないか程度にしか踏めない。
……。
歩くほうが早いわ!!
ハンドルが予想以上に重く、全身を使って曲がる。
後から聞いた話によると、遅ければ遅いほどハンドルが重くなるらしく
亀スピードで走っていたわたしのハンドルは重さを極めていたようだ。
修行か!
「カートは全身運動」という噂は本当だった。
汗だくになりながら、なんとか1周走り切る。
タイム、なんと6分。
あんなに怖かったのに自力で走るより余裕で遅いとは……。
もうへとへとだけど「もう1周だけでも」と思って2周目に行くと、そこには全く違う世界が待っていた。
ある程度コースが把握できた分、どこに曲がり角があるかをわかっているから計画を立てやすい。
ここはイケるから踏んで、ここはコーナーだから抑えて……と考えながら走っていき、
最後の直線で一番のスピードを出す!!
この直線の爽快感がスゴい!!
修行と化したちんたら走りと違って、スピードが出せる喜び。
これが風……!
なるほど、気持ちいい……!!
タイムはなんとさっきの半分の3分。
もう1周走らせると、さらに半分の1分半にまでタイムを縮めることができた。
スタッフの人によると、「最近ではママ友同士で来るひとたちも増えてきた」という。
昔は女の人と言えば
カップルで来てふたり乗りの彼氏の横に座ってる……くらいのものだったが、
今では自分が運転したくて来る人も多い。レースにも参加する男顔負けの選手もいるようだ。
多くの人が「ストレス発散になる」と言って、カートをぶっ放しに来る。
慣れた人の走りを見ると、そのスピードにびっくり。
なんとタイムは1周30秒、目で追うのが精いっぱいなほど。
これがカートの真の力か!
見るだけでも爽快感がある。
やればやるほど風となることができる喜びを知ってしまったら、
確かにやみつきになるかも。
いろんなものを吹き飛ばすスピードの力がそこにあった。
『舞洲インフィニティサーキット』
〒554-0042 大阪市此花区北港緑地2丁目無番地
電話:06-6466-2022
平日:11:00~22:00/土日祝:10:00~22:00(受付21:00まで)※悪天候時は日没まで
お試しパック(3周+5周)フェイスマスク込み3,800円(女性・中学生以下は、500円OFF)
子ども連れや恋人同士にもうれしい2人乗りカートも。
詳しくは→http://sportskart.com/