6月17日(土)、大阪・道頓堀にてあるイベントが行れた。
鳴り始めた音楽はマイケル・ジャクソンの名曲『Thriller』。
約100人が一斉に踊りはじめる。

 

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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!

 

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これは『第9回マイケル・ジャクソン追悼ダンス in 道頓堀』の様子だ。

 

9歳でザ・ジャクソン5としてデビューし、50歳で生涯を終えるまで数々の功績を遺したマイケル・ジャクソン。
アルバム『Thriller』は全世界で1億500万枚の記録を残し、
総売り上げ枚数は10億枚を突破。
“キング・オブ・ポップ”の名の通り、世界中から注目を浴びたエンターテイナーだった。

 

命日の6月25日前後になると世界中で追悼のイベントが行われる。
道頓堀にも全国各地からファンが集まった。
「MJ関西“マイケルを踊ろう会”」が主催となって、亡くなった2009年から毎年欠かさずに続けている。

 

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『Thriller』、『Billie Jean』、『Beat It』など
マイケルファンじゃないわたしでも知っているような曲がずらり。
通りがかる人たちも「マイケルだ」と足を止めた。
誰もが分かるその影響力は死後8年経った今でも計り知れない。

 

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参加者はもちろん皆マイケルのファン。

 

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各々の思う「マイケル」を、自分の体を持って表現する。
マイケルに魅せられると体が動き出してしまうのかもしれない。

 

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中には子どもの参加者も多かった。
9歳の男の子は、2歳の時に『THIS IS IT』を見てマイケル・ジャクソンにハマり、ダンスを真似るようになったと言う。
親の影響ではなく、自分でマイケルを選んだ。
「自分でDVD入れてそればっかり見るようになって。毎日朝から晩まで365日マイケル。母親としてはちょっと心配なくらい……。ダンスを習うようにはならなかったので、ダンスが好きというよりマイケルの心に共鳴したみたいです。
最初はマイケルが死んだって知らなくて、いつかマイケルに会うのが夢やった。4歳の時にマイケルが死んだと知って号泣してました」
生きた時代を知らない子どもでさえ魅了してしまうマイケルの力を目の当たりにする。
何というカリスマ……。

 

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「ファンとしてはマイケルが忘れられることが一番悲しい。
この追悼ダンスを通して、マイケルのことを思い出してくれれば」と主催の越智さんは語る。
わたしはテレビで見るマイケルしか知らなかったためマイナスのイメージも多かったが、
そんなものは笑い飛ばす。
「整形や児童虐待といったセンセーショナルで興味半分な部分ばかり取り上げられてきたけど、本当はそんな人じゃない。むしろマイケルは慈善事業に熱かった」
話を聞けば聞くほど、マイケルは魅力にあふれていた。
「阪神大震災でも多額の寄付をしてくれたんです。だから、こうやって追悼のイベントをやるのはマイケルから受けた恩を返すという感じ。恩を受けたら返さないと」
何より子どもへのチャリティに力を入れていたマイケル。
病院慰問や、寄付など行った活動は数知れない。
「このイベントをやるようになった後の2010年、堀江(大阪)で幼児ふたりが餓死しました。虐待です。マイケルがいたらきっと何かするだろうと思って、わたしたちも幼児虐待のオレンジリボン募金を始めました」

 

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オレンジリボンは、里親制度や施設の子育てを支援し虐待を受ける子どもたちの命を守る活動だ。
彼女たちはただマイケルの音楽やダンスが好きなわけではない。
その生き方や人柄に惹かれているのだ。

 

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マイケルのそっくりさんとして活動するマイケル・ジャクトンさんも募金を集める。

 

10年以上マイケルの追っかけをしていた女性も、
子どもの頃マイケルのコンサートで舞台にあげられて一緒に踊った男性も、
大学で「マイケル・ジャクソン研究会」に入部してマイケルを知った大学生も、
両親のマイケル好きから「まいこ」と名付けられた女子も、
みんなマイケルのことを考えていた。

 

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ここにはきっと何年経っても変わらない愛がある。憧れがある。尊敬がある。
これほどまでに他人を動かす力を持つエンターテイナーは、
死んでもなおその力を失わない。

 

すっかりわたしも取材以来マイケルを聴き続けてしまっている。

 

 

『マイケル・ジャクソン追悼ダンス』
例年命日の6月25日付近に全国各地で開催。
「~ in 道頓堀」の主催は、MJ関西“マイケルを踊ろう会”
http://www.mj-kansai.com/

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