納豆。それは日本に古くより伝わる発酵食品……。
恐らく何百年の間、「好き派」と「こんなの食べるなんて信じられない派」が相容れることはなかっただろう。
しかし近頃の健康ブームで発酵食品の素晴らしさが再確認され、
納豆という存在も見直されてきているように思える。

 

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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!

 

生きて腸まで届く納豆菌。
発酵食品の中でも菌が長生きで、整腸作用に優れている。
大豆製品の例にもれず女性ホルモンの代わりになるエストロゲンも含まれるので、若さを保つ手助けもしてくれるらしい。
豊富に含まれるビタミンKは、カルシウムの吸収を助け、骨粗しょう症を予防する。
ちなみに骨粗しょう症は50歳以上の女性の3人に1人がかかると言われているくらい身近な病気だ。
そう考えると、納豆はなんて(特に女性にとって)大切な栄養素が揃った食べ物なんでしょう……?

 

ねばねばな見た目や匂いからの先入観で「食べない」という判断を取るのはもったいなさすぎる、栄養界の重鎮だ。
そんなわたしも昔は納豆嫌いの一端を担っていたが
大人になって無理やり友人に食べさせられてから、そのおいしさに気付いてしまった。

 

そんな納豆ブームの世。
大阪・土佐堀に「納豆BAR 小金庵」なる場所があると聞いて、その地へ向かった。

 

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納豆嫌いが多く、納豆不毛の地と呼ばれる大阪で果敢に50年納豆メーカーを営む「小金屋食品」さんが去年出した直営店だ。

 

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看板商品は「粋シリーズ」(各税込270円)。
青唐辛子味噌、玉ねぎ、味噌、鰯削り節、おぼろ昆布、ねり梅、うずら卵、キムチ、初摘みのり(期間限定)の味付け9種類、
大粒、小粒、ひきわりの豆3種類、計27種類から選べる納豆だ。
どれも「せっかく体にいいのに余分なものをいれたらもったいないので」と、化学調味料を使わず厳選した素材で作られる。

 

他にもわらに包んで発酵させる天然納豆菌の「なにわら納豆」に、
納豆バターや納豆ビスコッティ、納豆ドレッシングとなんとも納豆尽くし。

 

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なにわら納豆〔3個入り〕/540円(税込)
納豆バター/600円(税込)
納豆ビスコッティ/540円(税込)
納豆ドレッシング/648円(税込)

 

わたしは、さっそく人気商品の「青唐辛子みそ」「玉ねぎ」「キムチ」「初摘みのり」、「なにわら納豆」を食べてみることにした。

 

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カップの中に調味料が入っていて、それと納豆を混ぜ合わせて食べる。

 

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■青唐辛子味噌

ピリッと辛い信州の青唐辛子みそと納豆、ごはんとの相性は抜群。
酒の肴にも人気がある。

 

■玉ねぎ

大阪・泉州のたまねぎをオリーブオイルで伸ばしたペーストと納豆の組み合わせは
まるで高級料亭の小鉢かのよう。

 

■キムチ

添加物を入れるのが当たり前のキムチから、わざわざ特別注文で添加物を省いて作られるだけあって発酵がフルーティー。ピリ辛いだけじゃない。
納豆がシャキシャキした野菜をまとめあげ、オーケストラの指揮者も顔負けの仕事をする。

 

■初摘みのり

有明産の高級一番のりを使った風味のよい一品。のりの香りが納豆に深みをもたらす。

 

豆の違いも特徴だ。

 

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■大粒(宮城県産)

大豆の味がダイレクトに口の中に広がる。食べごたえある、抜群の存在感。

 

■小粒(北海道産)

食べやすさNO.1。しっかり大豆の味をさせながらも、アレンジの味も引き立たせる。

 

■ひきわり(滋賀県)

ごはんに合わせたら夢中で食べてしまう最強のお供。

 

米が産地で味が違うように、豆も産地で味が違うもの。
わたしはこれまで苦手だと思っていたひきわりのおいしさに衝撃を覚えた。
豆とアレンジの相性でも味わいが変わる27種類は、想像以上に楽しい。

 

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なにわら納豆は「何もつけなくてもいいですよ」と言われたので混ぜただけで食べてみると、確かに大豆の何て味わい深いことだろう……。
納豆はたれを入れなきゃ食べられるものじゃないと思っていたけど
厳選された豆で丁寧に作られればそれだけで味わえるものだったんだ……。

 

どうして納豆のバリエーションがこんなに増えたのか。代表の吉田さんに話を聞いた。
「4年前から“粋シリーズ”を始めました。納豆って、毎日食べると結構飽きちゃうんですよね。大体3つで1パックだけど、食べきれなかったりして。手間いらずでさっと食べられるアレンジ納豆なら、毎日楽しんでいただけるかと思ったんです」
超分かる。
パック最後の1つの持て余しっぷりはどこでも共通だったのか……。
「お客さんは若い女性もいれば、サラリーマンも来られます。結構ご進物も多いんですよ」
ふと店内を見渡すと、ご進物コーナーがあった。

 

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納豆を……人に贈る……!?
確かに見た目が良く、味も良く、体にも良くて高級感もあると来たら人にあげたくなるのも当然なのかもしれない。
納豆が受け入られるようになったからこそ、他人にもオススメしたくなる。
今こっそり起きている「納豆革命」に、乗らない手はない。

 

 

「納豆BAR 小金庵」
http://710-bar.co.jp/
〒550-0001 大阪府大阪市西区土佐堀2丁目3-12-102
TEL:06-6449-3120
営業時間:10:00~19:00/定休日:木曜日

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