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この度、大阪梅田の『阪急うめだ本店』にて、『テルマエ・ロマエ原画展』なるものが開催されることになりました。主催をしてくださった方たちに丸投げの状態なので、自分はただイタリアからネット越しにその告知を確認したり、「このようなイベントがございます」と宣伝のツイートしたりするだけなのですが、それにしてもまあ、アニメ化、実写映画化ときて今度は原画展……。今まで幾度となく繰り返し言って来たことではありますが、「全国で500人読者がついたら万々歳だ」と思って描いた漫画がこんな待遇を受ける顛末になるなんて、まったく想像もしてみませんでした。本当に畏れ多いことでございます。

 

甘いも苦いもしょっぱいも嬉しいも辛いも悲しいも、漫画が売れるということがいったいどのような現象を巻き起こし得るのかを、容赦なく味あわせてくれた『テルマエ・ロマエ』ではありますが、この漫画を支持してくださった読者の方がいるというそれだけで『何はともあれ描いてよかったんだ』という気持ちに落ち着くことができます。

 

子供の頃から絵を描くことが大好きで、絵描きさんになりたいという私は、母から強制的に「これを読んでから決めろ」と『フランダースの犬』の絵本を渡されつつも、その10年後に「かならず何とかなる」と志を抱いてイタリアに留学。

 

しかし、結局は絵と経済の接点を見つけることは叶わず、『フランダースの犬』に違わぬ究極の貧乏を強いられ、なかば絵を描き続けることを断念しかけたわけですが、そこで出会った『漫画』という表現手段に私はしがみついたのでした。

 

しかし、それだけ絵を描くことに執着してきたにも関わらず、実は私は“描いてしまったもの”に対してのこだわりがあまりありません。

 

フィレンツェでの留学時代には、数えきれないくらいの油絵やらデッサンを描きましたが、今現在、自分の手元には一つも作品が残っていません。子供が生まれ、イタリアをいったん引き上げるときに身の回りの整理整頓が上手く付かず、私の絵は友人たちや子供の父親である元カレのところ、母の家などに分散してしまったのです。なかにはカンバスのサイズが100号や200号の、描き上げるのに何カ月も掛けた大作もあるのに、どこにそれがあるのか皆目分からない状態です。

 

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