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痛みを和らげるだけでなく、痛みが出ない体づくりを提案する腰痛改善スペシャリスト伊藤和磨さん直伝の「腰痛予防」エクササイズ

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今週もメディカルトレーナーで「腰痛改善スペシャリスト」の伊藤和磨さんに、腰痛予防のための「腰椎&股関節機能改善エクササイズ」を伝授してもらった。

 

伊藤さんが開業した一番の理由は、自身が腰痛で苦しんでいた現役プロサッカー選手の頃に感じていた、整形外科の診療やリハビリに対する不満や矛盾を解決できる場所をつくりたかったからだと言う。

 

そんな思いで開業して以来、毎日12時間以上ほぼ休憩無しで治療を続ける生活を16年間続けてきた伊藤さん。

 

「海外に行くとき以外で、丸1日休みの日が半年に2、3日あればいいほう」と笑うが、それだけ世の中に腰痛で悩んでいる人が多く、また彼のゴッドハンドの治療を頼る人が多いという証ともいえる。

 

そして、ほぼ休みのない中でも、寸暇を惜しんで国内外で開催されている勉強会やセミナーに足を運び、著名な研究者や運動指導者たちの話に耳を傾け、常に最新のエビデンスやメソッドを学び続けている。そんな姿勢も、多くの患者からの信頼を得る基盤となっている。

 

「医科学は、日々更新されています。この仕事を引退するまで、学び続けていきます」

 

これまで65か国以上を訪れ、日本ではできないさまざまな事を体験している伊藤さん。自宅には、「医学書店が開けるほど」の専門書があるそうだ。海外の分析機器も揃え、腰痛改善の研究にかける情熱は類を見ない。

 

「25歳の頃に出版した本が評判になり、開業したばかりで、まだ経験も知識も乏しかった私のもとに全国各地から重篤な患者さんがたくさんいらっしゃいました。

 

その時は『医師でも治せないことを、なぜ自分に尋ねてくるんだろう』と不思議に思っていました。そんな不安と怖さを克服するために必死に勉強した結果、いつの間にか不安が自信に変わっていきました。頼られる責任感と困っている患者さんをなんとかしてあげたいという想いが、今日までの原動力になっていると思います」

 

腰痛に悩んで自分のもとを訪ねてくれた患者の話をじっくり聞き、人それぞれの腰痛の原因を探ることでその人に合った治療法を提案し、さらに腰痛を再発しないための体づくりまで付き合うというのが伊藤さんの流儀。

 

「『整形外科』、『治療院』、『フィットネスジム』のどれにも属さない、三者の隙間を埋めるような組織でありたいと思います。自分だけでできることは限られているので、今後は志のある職人を、1人でも育成できたらと思っています」

 

痛みをとるだけでなく、動作や姿勢から矯正し、再発防止をめざす治療法でこれまで腰痛に悩む多くの人を救ってきた。そんな伊藤さんが教えてくれた、腰痛予防・改善のための「エクササイズ」を、ぜひ試してほしい。

 

【股関節運動機能アップエクササイズ(2)「ヒップヒンジ(出っ尻)膝立ち」】

 

「この2つのエクササイズは、前回ご紹介したヒップヒンジを実践で使えるようにレベルアップさせたものです。ヒップヒンジは、生活動作からスポーツシーンまで、あらゆる状況・場面において、必ず実践していただきたい動作です。赤ちゃんや幼児は誰に教わることなく完璧なヒップヒンジをします。この動作を学校の体育で教育すれば、日本から腰痛がなくなると言っても過言ではありません」(伊藤さん)

 

1)膝立ちになって脚を肩幅に広げる。骨盤を立てて、腰を緩く反らせる。
※股間のVゾーン(そけい部)の中心(股関節)に4指を立てる。

 

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2)動作を開始する前に鼻で息を吸う。動作中は呼吸を止めて、4指でVゾーンの中心を押しながらお尻を突き出していく。※動作中は、骨盤を立てて腰の緩いカーブを維持させること。腰を丸めてはいけない。

 

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3)腰の反りを維持したまま上体を前傾させていくのがポイント。そけい部においた手が、お腹と太ももで挟まるところまで前傾する。写真の体勢になったときに、お尻と太ももの裏側に張り感があれば、正しく行えている。

 

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4)口で息を吐きながら、突き出したお尻(骨盤)を元の位置に戻す。12~16回行う。
※頭から膝まで真っ直ぐになるように意識する

 

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【股関節運動機能アップエクササイズ(3)「ヒップヒンジ~スタンディング」】

1)スタンスを肩幅にして立つ。骨盤を立てて腰を緩く反らす。Vゾーンの中心に4指をあてる

 

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2)動作を開始する前に、鼻で息を吸ってわき腹に力を入れる。膝を軽く曲げて、踵で床を感じられたら、腰の反りを維持したまま、お尻を突き出すようにして状態を前傾させていく。動作中は息を止めておく。

 

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3)指が挟まるくらいまで、上体を前傾させたら、息を吐きながら元の位置に戻る。動作中に腰が丸まってしまわないように注意する。最大限に前屈みになったときに、太ももの裏側に伸ばされている感じがあれば、正しいフォームで行えている。

 

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4)開始位置に戻ったら、尻を絞めて骨盤を安定させる。同じ要領で12~16回行う。

 

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【協力店舗】

「MARO’S Medical Fitness」

http://www.maros.jp
渋谷区恵比寿南3-3-6 K’sフラット102号室
TEL:03-3711-9775

 

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「椎間板ヘルニアや坐骨神経痛と診断された人たちの駆け込み寺」として、2002年の開業以来16年間で3万人以上の腰痛に苦しむ患者を治療した実績を持つメディカルトレーナー、元Jリーガーの伊藤和磨さんが主宰する「腰痛改善スタジオ」。解剖学や筋機能解剖、病態生理学、神経生理学、バイオメカニクス、キネシオロジーなどを独学で学んだ伊藤さんが、国内外の腰痛研究機関が推奨する腰痛改善のためのセラピーエクササイズを腰痛改善スペシャリストとして提供。痛みの震源地を丁寧にケアしながら、脳に正しい姿勢と動作&呼吸パターンを再学習させることで、腰痛を根本から改善して再発しないカラダ作りをめざす治療法は、トップアスリートや人気芸能人、経営者といったセレブリティたちからも絶大な信頼を得ている。

 

 

伊藤和磨さんの書籍紹介
『頭痛・めまい、首・肩の痛みを動かしながら治す アゴトレ』

 

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著者:伊藤和磨
価格:1,400円+税

仕様:単行本/ソフトカバー/135ページ/DVD付き
出版社:光文社
発売日:2017年5月16日

 

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