それぞれの2年目 #5「心に復興なんてない」井上誠(54)さん■悲しみは津波が来た時刻「もう少ししたら防災庁舎に行こうか」私は今年も南三陸町の井上誠(54)さんのお宅でその日を迎えた。誠さんは、町職員として働いていたひとり息子の翼(たすく)さんを防災庁舎の屋上から大津波にさらわれ失った。まだ23才。最年少の職員だった。井上さんのお宅でお昼をごちそうになり、お話を伺ってい...

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