image

前灯の第41灯で、『東日本土壌ベクレル測定プロジェクト』について触れて、わが家の庭の土の汚染度を調べるために、測定に出したことをお伝えしました。
今灯では、その結果をご報告いたします。

土壌汚染がどのくらいなのかを知ることは、とにかく怖かったというのが正直なきもちです。
知らないで過ごしている方が幸せなのではないか…。
お恥ずかしい限りですが、真実と向き合うことから逃げたいと思った自分がいたことを、ここで告白します。
でも、怖がって逃げていたら、自分の命も夫の命も、さらにはいつか宿るかもしれない新たな命も守れません。
まずは現実を知ろう。どんな結果が出てもそれを受け止めよう。
被ばくを免れないこれからの時代を生きていくうえで、どう最小限にとどめていくか。
まずは知る。全てはそこから始まる。
そう自分を鼓舞して、測定に出しました。

わたしたちの暮らしの大きな柱は、電力自給と食糧自給。

image

お野菜の種を蒔き、愛情こめて育て、収穫して料理して、食事を通してその命をいただき、今日の自分たちの命に繋げる暮らし。
家庭菜園を始めてから、命の循環を目の当たりにすることで、生きているのではなく生かされていることを知りました。
野菜を育てることから得られる喜びと楽しみは、わたしの人生を豊かにしてくれて、土と共に生きることがどれだけ尊くありがたいことかを教えてくれます。
結果によっては家庭菜園を諦めることになるかもしれない…。
土を測定に送りだしてからは、そればかり考える日々。

そして、もうひとつわたしの頭を占領したのが、いままでお野菜をプレゼントした人たちのこと。
汚染度が高かった場合、差し上げたお野菜も汚染されていた可能性があります。
大切な友人の幼い子どもたちに収穫体験を楽しんでもらったりもしてきました。
結果によっては、全ての事情を説明して誠心誠意謝罪しよう。
そう心に決めて過ごしていました。

測定に出してから5日後に、結果表と測定を終えた土が届きました。

image

結果は下記の通りです。(同じ機械で二回測定してくださるので、二つの結果が出ます)

結果①
<セシウム137> 17.9Bq/kg
<セシウム134> 10.3Bq/kg

結果②
<セシウム137> 18.9Bq/kg
<セシウム134> 8.03Bq/kg

開口一番「よかった!低い!」と声を上げた夫。
『東日本土壌ベクレル測定プロジェクト』のホームページを見ると、神奈川県はわりと汚染されているので、50Bq/kgは超えるだろうと予想していたのです。
ちにみに、原発事故以前は100Bq/kgの土は高汚染廃棄物として危険物扱いとなり、ドラム缶に入れられ、厳重保管とその処理が義務づけられていました。
しかし今の関東では、何百Bq/kgという数値が珍しくなく、そのような場所で生活しています。
これは深刻な問題として受け止めるべき現状だとわたしは思っています。

このBq数値をSvに換算してみたところ、年間被ばく量は約0.06mSv。
つまり、24時間365日ずっと庭に立ち続けると、遺伝子の核に0.06本分の放射線が照射されて傷がつくイメージです。
夫は、「安心して大丈夫な数値だよ!お野菜も汚染されてないし、これからも家庭菜園を楽しめるよ!」と言ってくれました。
しかし、この土には放射性物質が降り注ぎ、汚してしまったという事実に胸が痛み、喜ぶことができません。

この1年、電氣はなくても全く命に関わらないし、生きていけるということを実感したと同時に、土と水と空気と太陽がなければ生きていけないということを学びました

翌朝のこと。
わたしはこの暮らしを始めて以来、朝起きたら菜園の大地に裸足で立って、空に顔を向けて、一日の始まりを与えていただいたことへの感謝のきもちを天に伝えることを日課としています。
そして、その後に菜園を歩き回ってお野菜たちに挨拶をするのですが、この日は挨拶ではなく謝罪をしました。

汚染度が低い結果は出たけれど、それでもあなたたちを放射能で汚してしまったのは揺るぎのない事実。
本当に本当にごめんなさい。
わたしたちが核なんて生みださなければ、原発なんてつくらなければ、あなたたちは純粋に美しい大地のままでいられたのに。
本当に本当にごめんなさい。
それでもわたしはあなたたち自然の偉大な浄化力を信じています。
あなたたちが育む土壌菌やそれらを支える雑草や虫たちや動物たちが協力して、汚れてしまったこの大地を元に戻していってくれることを。
わたしたちを咎めることも責めることもせず、文句も言わず、ただひたすら分解していってくれることを。
こんなわたしたち人間を、どうか許してください。

言葉を声に出して謝っているうちに、涙がボロボロ落ちてきます。
一年間このオフグリッド生活を営んできて、電氣はなくても全く命に関わらないし、生きていけるということを実感したと同時に、土と水と空気と太陽がなければ生きていけないということを学びました。
このわたしたちを生かす四つの構成要素のうち、太陽以外を汚し続けてきた人間の罪深さを感じずにはいられません。
このしっぺ返しがやってくるまでに、もう時間はないような気さえします。

11月1日に、東京の日比谷公園で「土と平和の祭典」というイベントが開催されました。
この測定プロジェクトを率いていらっしゃる石丸偉丈さんが代表を務められている『こどもみらい測定所』が出店されていて、石丸さんご本人と実際にわが家の土を測定してくださった担当者さんに偶然お会いすることができました!

image

石丸さん方も、あまりに低い数値結果に驚いたそうです。
そこで、土の採取方法を変えてもう一度測定に出すことになりました。(第41灯で紹介している雑草の根を一緒に混ぜる採取方法です)
結果が出たら、またみなさまにご報告いたしますね。

今回測定していただいて本当によかったと心から思います。
確実に日本の大地を汚してしまったことを認識し、それを踏まえた上でわたしたちは今後どのようなアクションを起こしていけばいいのかを考えさせられるきっかけをいただきました。
まずは知る!とにかく知る!
多くの方々がこのプロジェクトに参加することで、日本の土壌汚染マップをわたしたち市民の手で作っていけたらいいですね。

関連カテゴリー:
関連タグ: