お正月も終わり、会社や学校の日常生活が戻ってきました。みなさんはどのような年末年始だったでしょうか?
太陽と共に生きるわが家のオフグリッド生活。今年のお正月は、愛してやまないソーラークッカーのエコ作くんをフルに使って、お雑煮やおせちなどのお正月料理作りに挑戦!お日さまパワーが詰まったお料理はとても美味しくて、一年分のエネルギーを与えてくれたように思います♪
鶏とカツオの出汁が凝縮されたお雑煮は叫びたくなるほど美味しく、おせちの黒豆はふっくらつやつやに煮え、煮物も柔らかく出来上がりました!
毎年年末は、足元の冷える寒い台所でお正月料理をつくるためにほぼ一日中立ちっぱなし。それはわたしにとってストレスに感じることでしたが、ソーラークッカーを使えばお日さまが勝手に美味しくつくってくれるので、そのあいだ掃除や買い物など別の作業に手が回り効率が上がって、今年はノンストレスで過ごすことができました!
そして、久しぶりに動かした家電がホームベーカリー。わが家は電力自給生活ですが、一般的な暮らしをしていますので、このようなアイテムもちゃんと持っています。このホームベーカリーで、毎年お餅をつくっています。
自給自足的生活ですので、杵と臼を使ってお餅を作るイメージを持たれそうですが、わが家は便利な現代発明品の恩恵を享受しながら、自然と寄り添い楽しくみんなと同じように暮らすスタイル。昔の暮らしに答えがありそうなものは昔のやり方に戻しつつ、人間の進歩と共に生まれた役立つものはありがたく使いつつ、そんな古くて新しい生き方です。
ソーラークッカーでつくったお雑煮やおせちと、太陽の光で生まれた電氣でつくったお餅。電氣代・ガス代ゼロ、CO2ゼロ、ストレスゼロ!お日さまの力と惠みでつくられたお正月料理を味わい尽くせた、豊かで幸せな一年の始まりに、今年も佳いことがたくさん訪れそうな予感がしています♪
さて、そんなハッピーなきもちで満たされた2016年の始まりですが、今年は原発のない社会を希求する人たちにとって、ちょっと特別な年です。というのは、3月11日で福島第一原発事故から5年経ち、4月26日でチェルノブイリ原発事故から30年経つ、節目となる年だからです。
地球46億年の歴史のなかで、人類が現れたのはたった10万年前。これを地球の歴史で換算したら昨日のようなこと。そして、100年前に電氣を使うようになった人間は、たった一瞬にして地球を傷めました。発電するために、石油、石炭、天然ガスを掘り出し、燃やし、二酸化炭素を放ち、温暖化を招いて生態系を狂わせました。そして、原発を動かすためにウランを使い、行き場のない放射性廃棄物をつくり、爆発事故も起こし、放射性物質を大気に撒き散らしました。地球の歴史上前代未聞の悪事を、たかが電氣のためにたったこの100年で人間は行い続けています。
政治が変わるのを待つより、自分たちが変わることが解決の近道になる
現在世界中で1年間に消費されるエネルギーは石油換算で約100億トン相当。このようなエネルギー大量消費を続けた場合、維持できる残りの年数は、石油50年、石炭150年、天然ガス50年、ウラン100年と言われています。タイムリミットはもう目の前です。
これらの天然資源は、太陽と地球が生みだした奇跡としか思えない貴重なもの。石油は2.5億年、石炭は3億年、ウランはなんと20億年もの年月をかけてできたものです。途方もない長い時間をかけて宇宙がつくりだしたこのような奇跡の産物を、たかが電氣のために100年で燃やして使いきってしまうなんて、あまりにも残酷に感じます。
なにより、地球に住まう生きとし生けるものの命を脅かし、根絶やしにしてしまう可能性を持っている〝核〟という危険なものを生みだす原子力発電は、あまりにも馬鹿げているエネルギー生産方法だと思いますし、愚の骨頂としかわたしには思えません。
大切な命と引き換えに電力会社から電氣を買う人生なんて全く納得がいかないので、こうして電力を自給して満足感や納得感のある人生をスタートさせた次第です。
今月末に、福井県の高浜原発の3号機と4号機が再稼働します。昨年4月に、住民たちの訴えを認めて運転を禁じる仮処分決定が出たにも関わらず、たった半年ちょっとでいとも簡単に覆ってしまいました。もはや司法は生きていません。
昨年8月に再稼働した鹿児島県の川内原発。県知事の伊藤氏は、再稼働に対して「命の問題なんか発生しない。」「(事故が起きても)避難の必要がない。普通に生活していい。」と、狂気めいた発言のもと、地元住民たちの反対を押し切って再稼働。もはや行政も生きていません。
司法も行政も原子力ムラに乗っ取られてしまっているように見えるのはわたしだけでしょうか?
きな臭さを感じずにはいられません。
政治が変われば確かに社会は変わります。でも、それを期待するよりも、自分たちが変わることの方が解決の近道になると思っています。何かを変えたかったら、相手を変えるのではなく、自分が変わる。
自分のお家に小さな発電所をつくってしまえばいいのです。こんなにシンプルなことで、地球や人々を苦しめてきた電力問題が解決できてしまうかもしれないのです。「灯台もと暗し」とはこういうことです!
チェルノブイリの事故から30年、福島の事故から5年経つ節目となる2016年。〝多くの人たちが原発神話から完全に目を覚まして、持続可能な電氣の作り方と使い方にチェンジする〟。わたしはこのような夢を描いています。オフグリッダーがオフグリッダーを生み、そのオフグリッダーが新たなオフグリッダーを生んでいく。その波紋のような広がりをイメージして、この節目の年を大切に過ごしたいと思います!