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今年もやってきました!ゴキブリたちが家を駆けまわるシーズンの到来です!夜になるとカサカサ羽音を立てて、キッチンで縦横無尽に歩き回る彼ら。インパクトのあるフォルムと質感が背筋を凍らせますが、わが家は決して殺さずに生かす選択をとっています。なぜなら、彼らは家にとって重要な存在だからです。今灯ではその理由と自然なものでできるゴキブリ対策をお伝えします。

 

このオフグリッド生活を始める2年前までは、同じ神奈川県内のマンションに住んで暮らしていました。そのマンションは、害虫対策で定期的に薬剤を撒いていたので遭遇することがありませんでした。生き物が死んでしまうくらい不自然で強力な化学物質を、わたしたち自身も体内に取り込んでいたということなのですが…。引っ越してきて初めて迎えた昨年の夏の日に、キッチンでご対面。殺そうとする夫を必死で止めるわたし。結婚後初めてゴキブリ論争が勃発しました。

 

夫 「うわ、気持ち悪い!ホウキで叩いて殺そう!」
チカ「お願いだから殺さないで!」
夫 「なんでこんな虫をそのままにしようとするんだ!」
チカ「このコたちは何も悪くないの!食べカスとか油汚れや水汚れがあると、それを片付けようとして彼らは働いているだけなの。悪いのは家をキレイにできていないわたしたちの方なのよ!」
夫 「そんなの知るか!気持ち悪くて寝られない!俺はやっつけるぞ!」

 

そう言ってホウキか何かでバンバン叩いて殺した夫。敵の首を捕ったかのように誇らしげにしている姿を見て、わたしはその残酷な出来事に気落ちしてしまい、顔色も失せてしまいました。せめて庭の土に埋めて弔ってちょうだいとお願いして、その晩夫とそれ以上口をきくことはありませんでした。

 

中学生のときに、理科の先生がゴキブリの名前の由来は「御器舐り(ごきねぶり)」であることを教えてくれました。お茶碗などに残った食べカスや油を、舐めて綺麗にする姿からつけられたそうで、地域によっては大切な存在として捉えていたところもあったそうです。彼らがお掃除屋さんであることを認識した瞬間でした。しかしながら、実家では母が絶叫しながら新聞紙を丸めたものやスリッパで叩きまくり、殺虫剤を噴霧したり、粘着性のグッズで捕えたりしていました。幼いわたしの心の中は罪悪感でいっぱいでした。

 

このオフグリッド生活を始めて、家庭菜園で自然農(農薬や化学肥料を使わない農法)でお野菜を育てるようになり、虫をよく観察するようになると、その役割の偉大さに驚かされました。病気にかかった野菜には虫がつき、隣の元気な野菜に病気がうつる前に食べて処理していること。枯れた葉や枝など寿命を終えたものを分解して、土に還ることを手伝っていること。これらのことから、虫はその場の調和を乱すものを素早く見つけて、食べることによって問題を解決して、環境を整えていることを知ったのです。虫はわたしたち人間を常に助けてくれている存在なのだと。

 

そう考えると、ゴキブリが担っている役割も大きいはずです。これはわたしの推測に過ぎませんが、なぜ夏場にだけこれだけ旺盛に活動するかというと、細菌の繁殖を防いでいるのではないかと勝手に想像しています。夏場は食中毒の問題がありますが、そのような原因を引き起こすものを、彼らが先に阻止してくれているのではないかと思うのです。彼らは雑菌だらけの下水道の配管などを住処にしていて、とても汚い劣悪な環境にいながら、カラダはピカピカで頑丈です。実は地球上で一番抗菌力が高く、清潔で、キレイ好きだという説もあります。

人間の至らない部分を彼らが処理してくれている

キッチンで彼らの様子を観察していると、掃除をしてくれていることがよく分かります。わが家の場合では、糠漬けの樽をかき混ぜた時に床にこぼしてしまった糠のカスを食べていたり、洗った食器置きのヌメリを舐めていたり。全て人間の至らない部分を彼らが処理してくれているのです。このような理由から、暮らしの中で大切な役割を担ってくれているありがたい家族の一員だと思っています。この考えと想いを夫にきちんと伝えてからは、折衷案として、軽くホウキで叩いて動きを止めて、家の外に逃がすという方法をとっています。

 

よく売られているホウ酸ダンゴですが、あの仕組みをご存知でしょうか?ホウ酸ダンゴを食べた彼らは、喉が渇き水を求めて外に出ていきます。そして、最後は脱水症状を起こしてカラカラに干からびていきます。この死に方を知ったときに連想したのが、広島原爆でした。中学生のときに広島を訪れ、被ばくを経験したおばあさんの語り部さんから聴いた体験と重なったのです。原爆が落ちたとき、あまりの熱さに喉やカラダが水を求めて、近くの川に飛び込んだそうです。しかし、その川は熱湯と化していたので、飛び込んだ人はみんな死んでしまったそうです。生きているものが、強烈な喉の渇きを感じ、水を求めて死んでいくという残酷さは、原爆もホウ酸ダンゴも一緒のように感じます。

 

あまりに数が多くて困ったときに効果を発揮したのが、クローブというスパイスを使った対策です。ハーブの知識がある者として、虫対策で一番真っ先に浮かんだのがこのクローブでした。

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蚊など害虫と呼ばれる虫を遠ざける植物で、辛いシナモンのような香りがします。これを小さな器に入れて、さらにクローブの精油を10滴ほど垂らして染み込ませます。

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これを彼らがよく出没するところに置いておくと数が減り、姿を見せなくなることもあります。香りが消えたら、また精油を足してください。わが家ではキッチンのシンク下に置いています。

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彼らが人間の役に立っていることに気づき、共に平和に暮らせるようになることを願ってやみません。ぜひともクローブなど自然なものを使って、お互いにとって心地よい距離を保ってみてくださいね☆

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