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なんと嬉しいことでしょう!今年2月に開催した、「サトウさん家のオフグリッドセミナー&見学会」にご参加されたTさん(左)とIさん(右)が、先月からオフグリッドライフを始められました!セミナー&見学会にご参加いただいた方の中で、第一号のオフグリッダーとなります!

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Tさんはフェアトレードの会社にお勤めで、Iさんは自然食品店を経営されています。エシカルな考えを持って生きているお二人だからこそ、このような暮らしを選択する流れが自然と生まれたように感じました。この度、ぜひ遊びにいらしてくださいとお声掛けくださり、施工に携わった自エネ組メンバー二名とわたしたち夫婦の四人で、都内のご自宅に伺わせていただきました♪(自エネ組の詳細は、第17灯をお読みください)

 

発電を担う太陽光パネルは、広い屋上に設置されています。12枚で一時間につき3kwh発電します。蓄電を担うバッテリーは23kwh溜められて、充電コントローラーとインバーターと共に、ビルの一階外で保管されています。

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ちなみにサトウさん家の発電量は一時間につき2kwhで、最大蓄電量は27kwhですので、わが家と同様に節電を土台とした〝足るを知る〟生活といえます。と言っても3LDKの広いお家で、家電製品はエアコンや洗濯機やスチームオーブンや照明器具などを使っていらっしゃって、いたって一般的な暮らしです。

 

わが家との違いは、電力会社と系統連結している点です。つまり、電力が底をつくような事態が起きそうになったら、ブレーカーと分電盤の三叉スイッチを切り替えて、電力会社から電氣が供給されるようになっています。ですので、保険料のようなイメージで基本料金を毎月支払っていらっしゃいます。

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ちなみに7月の電氣料金は、たったの367円!自給した電氣以外はまだ使っていません。暖房などで電力消費が激しくなる冬のシーズンを経験してみて、もし完全オフグリッドでも大丈夫そうだと自信がついたら、契約を切る予定だそうです。最初は系統連結をしておいて、段階を踏みながら緩やかに完全オフグリッドを目指すこのような方法は、わが家のように最初から完全オフグリッドにすることに不安を感じる方に、ぜひともオススメしたいです!

 

お二人は電力自給に加えて太陽熱温水器も導入されたので、夏の間はほとんどガスでお湯を沸かさずに、太陽で温められたお湯で暮らしています。試しに洗い物をさせていただいたのですが、お湯のあたりが心地よく優しいきもちになって幸せでした!

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導入後のガスの使用量は、17立方メートルから7立方メートルに激減して、7月のガス料金は約1,600円にまで下がったそうです。電氣やガスは、石油や石炭や天然ガスという地下資源を使って燃やし、再生することもできず、地球に負担をかけるエネルギーの利用法です。でも、太陽という空から照らしてくれるその光で電氣やお湯をつくれ、今までと変わらない暮らしのままでいられることを目の当たりにすると、エネルギー革命がもう起きていることを実感します。ちなみにわが家は8月下旬に同じ太陽熱温水器を導入する予定ですが、お皿洗いのきもちよさを知ってさらに楽しみになりました!

 

屋上では、ドラム缶を二つに切ったものをプランターにして、家庭菜園もされています。また、コンポストで生ごみから堆肥をつくって栽培に利用されています。

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エネルギーの自給と共に、少しでも食糧の自給をしようとされていて、屋上がひとつの独立国であり、楽園のように見えてきます。

 

ご厚意で、このパラダイスのような屋上でバーベキューをして、育ったハーブを摘んで一緒に焼いた鶏肉や、エコ作でつくった夏野菜のお日さま料理を味わいました♪

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オフグリッドな生き方をこれから広めていこうとみんなで語り合ったこの時間は、希望や夢に溢れていて、同じマインドやハートを共にできる人たちとこうして出逢えたことに喜びを感じました!

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電力自給システムの機材も、太陽熱温水器も、いままでの使用料金と比較すると、元はとれないそうです。でも、このオフグリッドな暮らしを選択したことは、費用対効果を狙うものではなく、日々を心地よく過ごすための投資であり、高い差額分は「満足料」として割り切っているとのこと。このような考え方で暮らし始めたTさんは、次のようにおっしゃいます。

 

「経済収支だけで考えたら全然見合わないこのプロジェクト。それでもやろうと決めたのは、心地よい暮らしをしたいからです。毎日心豊かに暮らすためのお金なら、旅行や外食にお金を使うのと同じこと。それが自分の心地よさだけでなく、地球のため、平和のためにもつながるなら、こんな素敵なお金の使い方はないと思うのです。資源の奪い合いをしたり、放射能に脅えたりしながら使う電氣ではなくて、天の恵みに感謝していただく電氣。金銭面や物理面からいって、誰もができるわけではないオフグリッドですが、できる人から始めることが、変化への第一歩だと思います。」

 

実はこの一年で、連載記事を読んでくださった方がオフグリッダーとして誕生し、わたしの知る限り独立電源の家が国内で5軒増えました。こうして同じ志や想いをもつ仲間の輪が広がっていき、最初は小さかった波紋がどんどん大きくなり、家庭用電氣は自給が当たり前となり、原発のない社会になっていくのだと思います。実際にTさんとIさんが一般的な暮らしと変わらないまま、満ちたりたきもちでオフグリッド生活を楽しんでいらっしゃるお姿を見て、大きな希望を感じました。先頭を走る仲間が増えて、いまとても心強い想いでいっぱいです。この度はお招きくださって、ありがとうございました!

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