【今週の悩めるマダム】
東京で一人暮らしをしている27歳の息子がゲイかもしれません。新宿二丁目のゲイバーで働いているようです。以前男友達を紹介されたので、その子が彼氏なのだと思います。私は彼の生き方を応援したいのですが、LGBTには詳しくなく、母親としてどのように対応してあげればいいかわかりません。(大阪府在住・50代女性)
お母さんのご心配はよくわかりますが、その前にちょっと苦言を呈したいことがございます。
まず、「息子がゲイかもしれません」「LGBTに詳しくなく」と続き最後に「どう対応していいのかわかりません」で締めくくられています。この文脈から思うのは、息子さんではなくお母さんご自身の問題です。お母さんがお腹を痛めて産んだ我が子なのですから、もう少し対話があってもいいんじゃないですか? 聞きにくいというのはよ〜くわかっています。でも、「かもしれない」ばかりじゃ、お答えしようがない。
もし彼がそのことを“いつ打ちあけようか”とずっと悩んでいるのであれば、なおさら大切なことです。「あなた、二丁目のゲイバーで働いてるの?」「え? ああ、働いてるよ」「え〜、あなたもしかしてLGBTなの?」「ま、そうだよ。言おうと思ってたんだけど、言えなかった」「じゃあ、この間連れてきた子、彼氏?」「うん、パパと話す前にママにはちゃんと話をしておきたいことがあるんだけど……」となるんじゃないでしょうか!
ここまでものごとが進んだならば、私の出番です。まず申し上げたいのは、やはり対話の重要性。彼が本当にLGBTであれば、周りが反対をしたところでどうにかなることではありませんね。ご両親が反対をしても自分の生まれながらに持ったものを他人が強制的に変更することはできませんし、絶対にしてはいけません。
今日の親子問題の原因は、子どもの心の核心に耳を傾けてあげられない親が増えていることにこそあり、それが大きな流れとしてLGBTへの無理解へと繋がっているのです。
LGBTと名乗ることでマイノリティの方々は結束されたのだと思いますからとやかく言うことはできませんが、実は私、個人的には「LGBT」という言葉が嫌いです。その枠の中に入りきれないジェンダーや意識や命が他にも多く存在するからです。LGBTABCDEFGHI……みたいには出来ないからLGBTでも今はいいんでしょうが。
ともかく、お子さんと率直に話し合うチャンスを作ってください。とっても簡単なことです。かしこまらずキッチンですれ違いざまに「あの、ほら、あんたに聞きたいことがあるんだけど、ちょっといい?」だけで大丈夫。わからないことはお子さんに直接聞いてみましょう。
「ちょっと辻さん、息子に聞けないからあんたに聞いてるんじゃない」というのでは埒があきません。お子さんがもしLGBTならば話をしたいはずです。お母さんは愛する息子の声に耳を傾けることからまずは始められたらいいと思います。
その後、またわからないことがあれば私メにお申し付けください。私はここにおりますから。はい、私からは以上です。
【JINSEIの格言】
お腹を痛めて産んだ我が子なのですから、もう少し対話があってもいいのでは? その後、またわからないことがあれば私メにお申し付けください。私はここにおりますから。
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