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話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。400年の歴史を誇る日本の伝統芸能「歌舞伎」。じつは記者、舞台公演を見たいと思いつつ足を運んだことがありません。しかしここ数年、ずっと気になっていたのがシネマ歌舞伎。なんでもスクリーンで歌舞伎が体験できるのだとか。そこで今回、公開中の坂東玉三郎の『鷺娘/日高川入相花王』を観賞してきました。

 

■シネマ歌舞伎『鷺娘/日高川入相花王』7月4日まで(『天守物語』は7月5~11日。ともに東劇ほか全国各地で上映。上映スケジュール・ラインナップ等はシネマ歌舞伎のHPにて)

 

聞くとこのシネマ歌舞伎、意外なことに、初上演が’05年1月とすでに14年の歴史を持つジャンルだったのです。歌舞伎の裾野を広げるべく、スクリーン上映が始まったのだそう。たしかに懐ろ具合が気になる記者でも気軽に行けるのがうれしいところ。本作は、’06年シネマ歌舞伎公演時のものから新たに坂東玉三郎(69)自身の監修で補正・調整を行ったものだそうで、全身が包まれるような臨場感ある音響マジックが体験できました。

 

そして舞台公演とは違う見どころが、演者のこまやかな表情、繊細な刺しゅうが施された衣裳、黒子などの動きは大きなスクリーンだからこそ確認できる点。おそらく舞台公演を見た人はシネマ歌舞伎も見て(その逆もしかり)、作品をより楽しんでいるような気がしました。どちらにもそこだけでしか体験できない醍醐味があるということです。

 

毎月作品を替え上映し、歌舞伎の魅力を伝える試み。スクリーンならではの迫力をぜひ体験してみてください。

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