仏の個人主義に学ぶ姑との距離の置き方(JINSEIのスパイス!第42回)

【今週の悩めるマダム】

昨年夫の父が亡くなり、独り身になった80歳の義母を引き取ることになりました。もともと私は姑と仲がよくなくて、二世帯同居は避けたかったのですが、選択の余地はありませんでした。同居から3カ月、息子の教育について、掃除や料理など家事について、さっそく口を出されて辟易しています。(埼玉県在住・50代主婦)

 

この問題について、適切な解決策をご提示できるかわかりません。人生には避けることのできないさまざまな状況があります。奥様の置かれている環境についても、他人である僕がアドバイスできるような簡単なものではあません。それを前提に僕なりの意見を言わせていただきます。

 

実は僕の知り合いが奥様と似た問題に直面したことがありました。ちょっとややこしいのでその方をAさんとします。Aさんはある日、要介護状態になってしまったお姑さんを自宅で引き取り、介護することになりました。他に頼れる親戚もおらず、ご主人が一人っ子だったこともあり、すぐに同居が始まったといいます。ありがちな話ですが、ご主人は自分の母親にまったく頭が上がらなかったのです。お姑さんは大変に厳しい方で、Aさんにとってそれは想像を超える苦しい日々の始まりとなりました。それでもAさんは心優しい女性だったので、仕事で留守がちなご主人にかわり、自分の母親のように一生懸命、お姑さんの介護を続けたのです。同時に、そのころから心に強いストレスを抱えるようになりました。お姑さんの小言をひとつひとつ完璧に守り、我慢し続けたからかもしれません。数年後、そのお姑さんが他界されました。葬儀も終わり、昔のような日々が戻ることになるのですが、それから間もなく、亡くなったお姑さんの部屋から、家族へ向けて書かれた手紙が発見されたそうです。なんと、そこにはAさんへの誹謗中傷がびっしりと書かれてあったのだとか。あんなに一生懸命介護を続けてきたというのに、最後の最後で反論すらできない形での一撃を見舞われることになったわけです。このことでAさんは心の病に倒れ、長い間入退院を繰り返しました。

 

このようなケースは特殊ですから、嫁姑関係というのがつねにこのようなパターンだと申し上げるつもりはありません。ただ、そうなる可能性がある以上、早い段階で対策をとっておく必要はあるでしょう。お姑さんとの同居によって奥様だけが心に強いストレスを抱えることがないようにしなければなりません。そのためには、ご主人や周囲の家族、そしてお姑さんとも、多少ぶつかったとしても、お互い我慢しないで生きていくための最善の方法を話し合いで模索するべきでしょう。フランスの場合、前にもここで書かせてもらいましたが、個人主義が徹底しているので、二世帯同居というようなライフスタイルはあまりありません。お互いの個を尊重する風習があるので、お互いに迷惑をかけない道を生きようとします。とくに親の側が「子に迷惑をかけたくない」と、一人で生きていく人がほとんど。お互い我慢しない、無理をしない、が生きる上での基本です。

 

お互いを尊重できるよう、今後の生活について意見を交換し合うのがまず第一歩だと思います。

 

【JINSEIの格言】
お姑さんとの同居によって奥様だけがストレスを抱えることがないようにしなければなりません。お互い我慢しない、無理をしない、が生きる上での基本。まずは腹を割って話し合いを。

 

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