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その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやとも(28)。『ポップな心霊論』は、彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!

 

【最先端な死神に会いました】

 

この前、ホームのベンチで電車を待っていたら、いつの間にか隣に変なおじさんが座っていました。そのおじさんは、まだ秋口なのにロングコートを着ていて。さらにハットにマスクという、怪しさ満点のいでたちだったんです。

 

なんかちょっと怖かったので、すぐに視線を線路のほうに移しました。すると、ホームのギリギリのところにスーツ姿の男の人が立っているのが見えて。そろそろ電車も来そうだし、危ないなって思っていると、その人が急に不自然な転び方をしたんです。

 

そのまま線路に落ちてしまったんですが、その瞬間、ちょうど電車が入ってきて“ドンッ”という鈍い音が聞こえたかと思うと、当たりがパニックになりました。

 

僕も、ショックでぼう然としていたんですけど、ふと、隣のおじさんがまったく動じていないことに気付いて、背筋が凍りました。

 

おじさんは、何事もなかったかのようにスマホで電話をかけながら、改札のほうへ歩いて行ったんですけど、そのとき「もしもし、いま終わりました」って話してるのが聞こえちゃいました。たぶん、死神なんだと思うんですけど、スマホを使いこなす死神なんて、さらに不気味で怖いですよね……。

 

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