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【今週の悩めるマダム】
結婚して以来、主婦業に追われ18年がたちました。大学生の娘が家を出て数カ月、急に孤独を感じています。近所に友達もおらず、ランチはいつもひとり。夫の帰りが遅い日が続くと夜もひとり。誰とも会話をしない日が何日も続くことも。夫は私が働くことに猛反対します。私は毎日何をして暮らせばいいのでしょう。(東京都在住・50代主婦)

 

この手のご相談が、最近本当に増えた気がします。同じような気持ちの人がたくさんいるのだということをまず知ってください。僕は男だって家事や育児をするべきだと思うし、女性が好きな仕事をしていいと思っています。ご主人が奥様を働かせないということですが、実は僕の両親もまったく同じだったんです。僕の母は結婚後、同じように家から出してもらえなかった時代がありました。その時、母は独学で刺繡、陶芸、料理、木彫りを学び、先生になったり、展示会に出品したり、大会に出るようになるのです。その後、母を愛し過ぎた父も反省をしたのか、外出を許可するようになります。

 

母は50歳になってやっと、それまでの憂さを晴らすかのように社交ダンスを習い始めます。50歳とは思えないかっこいい写真が残っていますよ。「戸塚刺しゅう協会」の九州支部長などを務め、いまも大勢の生徒さんらに囲まれて暮らしています。ちょっと宣伝になってしまいますが、10月31日に発売される『84歳の母さんがぼくに教えてくれた大事なこと』(KADOKAWA)でそのことを詳しく書いていますので、ご笑覧いただければ幸いです。

 

父から家を出ることが許されなかった“幽閉時代”に、母は自宅で刺繡や木彫り教室を開き、自分の存在理由を作り上げてきました。僕の母のケースはちょっと特別かもしれませんが、でも、外に出なくても何か始めることはできますし、奥様の場合、外に習い事に出ることくらいは許してもらえるでしょうから、僕の母と比べたらまだ自由度があると思います。僕自身も奥様と似たような経験をしています。突然の離婚でいきなりシングルファザーになったわけですが、その時、僕を救ってくれたのはツイッターでした。毎日、苦しくて、死にそうで、でも、子どもの手前、弱気にはなれない。子どもを育てながら、絶望の中にありました。キッチンだけが自分の居場所でした。そこである日、息子に作ったお弁当を何気なくツイッターにアップしたら、「いいね」がびっくりするくらい付いたのです。キッチンで頑張る主婦の方々が僕のお弁当を評価してくれたというわけです。それが励みになりました。そこに仲間がいると思った。僕のSNS発信はその日を境に始まることになるのです。3万人くらいだったフォロワーさんが、いまでは23万人を超えています。

 

いまでも引きこもりのような生活を続けている僕ですが、母と同じようにキッチンという城を大事に生きています。『女性自身』のウェブ版では「ムスコ飯」というレシピ連載も続けています。家庭で作れる簡単フレンチとか、パリのママたちのアイデアをレシピ化しています。全てキッチン発なんですよ。奥様もひとりじゃないし、仲間はいます。一緒に頑張りましょう。狭いキッチンからだって、世界は広げることができるのです。

 

【JINSEIの格言】
「人のために生きるのはやめる」「面白味がなくても真面目な男を選ぶ」「自分を高めてくれる人を探す」「違うタイプの人との出会いを求める」以上の4点を心がけてみてください!

 

この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします! お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。 ※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。

 

以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!

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