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話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は写真展「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」を紹介します。

 

■「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」東京渋谷・Bunkamura ザ ミュージアムにて3月8日まで開催中

 

’17年に日本で初の回顧展が開催され、動員数約8万人と反響を呼んだ写真家ソール・ライター。記者も写真の素人ながらその作品群に引かれた一人です。その余韻が残るなかで新たな展覧会「永遠のソール・ライター」が現在渋谷で開催中です。

 

ソール・ライターは’50年代にファッション雑誌カメラマンとして成功をおさめ、58歳でNYの仕事場を閉め表舞台から去り、’06年にドイツの出版社から発行された写真集が脚光を浴びたときすでに83歳。’13年に89歳で生涯を閉じました。

 

ドラマティックな人生とは裏腹に、名声を得ることに無欲な写真家が撮った作品は、雨の日にガラス越しに人を、部屋の窓から道を歩いている人を、と、独自の視点で瞬間を切り取ったもので、見る者の心に静かに語りかけてきます。

 

今回の展示は2部構成で、第1部は前回紹介されなかった代表作と未発表写真など約130点。第2部はカラースライドをデータ化した世界初公開作品や、家族、ペットの猫写真などプライベート感のあるもので、より深くソール・ライターを知ることができます。

 

会場はシンプルで静かな空間。ソール・ライターの語る言葉もところどころにあり、作品の叙情性を際立てています。一緒にNYイースト・ヴィレッジを歩いている、そんな気分にもなれる写真展です。

 

「女性自身」2020年2月11日号 掲載

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