コロナで落ち込む僕を勇気づけた息子の言葉(JINSEIのスパイス!第69回)

【今週の悩めるマダム】

毎日、新型コロナウイルスの暗いニュースばかり見ているせいで、ちょっと不安がひどくなり、何をやっても気力が出ません。好きなアイドルのコンサートも行けなくなりました。楽しみを奪われ、目に見えない敵を相手に鬱々としています。マスクをしているせいで、お化粧もやめてしまいました。(埼玉県在住・40代主婦)

 

コロナの影響でフランスも外出禁止令が発令され、イタリアと同じような封鎖状態(緩やかな)です。学校は休校、商店、レストラン、カフェは閉鎖、そして、ついに外出まで制限。休校は5週間、4月20日まで続きます。想像してみてください。5週間もの間、僕は息子と家から出られず2人っきりで過ごすのです。コロナがイタリアで猛威をふるい始めたとき、先のことを考えて、僕も鬱っぽくなりました。フランスには頼れる親戚もおりませんし、友だちも多い方じゃないので、一人で頑張らないとならない。毎日、息子のご飯を作り、政府の情報に耳を傾け、戦々恐々としながら生きなければならない。子どもを守りたいですからやっぱり不安ですし、鬱にもなりますよね。僕は一人、キッチンで途方に暮れておりました。すると息子が来て、こう言ったのです。

 

「パパ、僕からひとつ提案してもいい?」
「なにを?」
「パパがなんか落ち込んでいるからさ。きっとコロナのことで不安なんでしょ」

 

面白いことを言うな、と思い、僕は息子と向き合いました。すると息子がこう続けたのです。

 

「イタリアの映画にね、『ライフ・イズ・ビューティフル』っていうのがあるんだけど、この間、授業で見たんだ。舞台は、1930年代のイタリア。主人公のユダヤ系イタリア人のお父さんにはかわいい息子がいる。ところがナチス・ドイツによるユダヤ人の迫害があり、家族は強制収容所に送られちゃうんだ。子どもは不安でしょうがない。そこでお父さんは、息子を収容所の恐怖から守るために、あるアイディアを思いつく。この過酷な収容所生活は、実はゲームで、一つ一つの苦しみに勝ち抜いていくと、最後に戦車に乗って家に帰れるんだよって。面白いでしょ? ふりかかるあらゆる過酷な状況をお父さんはユーモアで逆転させ、息子にたくましく生きる方法を導き出していく。パパ、僕が言いたいこと分かる?」

 

僕は涙が出そうになりました。この子は、コロナで心が折れている父親を、逆転の発想で励まそうとしているのです。本来ならば僕が彼を励まさなければならない立場なのに。そこで僕は奮起し、その日の夜から、親子でご飯を作ろうということに決めたのです。家から出られないことを逆手にとって、息子をシェフにするというゲームが始まりました。

 

WEB女性自身で連載をしている「ムスコ飯」を息子に見せて、作ってみたい料理をやらせているわけです。奥様、こういう辛い時期ですが、世界中のあちこちでみんなが力を合わせ乗り越えようと頑張っています。こちらも大変ですが、僕ら辻父子から奥様にエールを送らせていただきます。一緒に頑張りましょう。えいえいおー!

 

【JINSEIの格言】

息子に勇気づけられたその日の夜から、父子でご飯を作ろうということに決めたのです。家から出られないことを逆手にとって、息子をシェフにするというゲームが始まりました。

 

この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします! お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。 ※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。

 

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