実在するトランスジェンダーをモデルにした『ガール』に涙
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家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は、’18年のカンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)と主演のビクトール・ポルスターがある視点部門の最優秀演技賞を受賞した、映画『Girl/ガール』をご紹介します。

 

■『Girl/ガール』発売中。Blu-ray+DVDセット4,800円(税別)。発売元:クロックワークス/販売元:TCエンタテインメント

 

ララは15歳でバレリーナ志望。弟の面倒をよく見る“姉”で、父親との関係も良好。トランスジェンダーである彼女は、18歳になったら女性になるため手術を受ける予定で、現在はホルモン補充療法を受けています。

 

やがて彼女は思うように体が変化しないことや、ライバルからの嫌がらせが原因で、心が壊れそうに。そして残り15分、物語は大きな局面を迎えます。

 

ララ役は映画初主演というビクトール・ポルスターが演じています。まず、そのはかなげな美しさに目を奪われることでしょう。本作は彼(男性です)のバレエの演技と存在感で成立している気がしました。

 

ストイックにレッスンに打ち込むララの姿は自分の体から解放されたがっているかのようです。そして性器の膨らみを押さえるテーピングをはがすとき、彼女は現実に引き戻されます。

 

ララがトランスジェンダーの苦悩のすべてを体現しているわけではないけれども、実在するトランスジェンダーをモデルにしている本作は、当事者たちが抱える苦悩の一面を描いているのに違いはありません。

 

特筆すべきはララを取り巻く環境です。家族や親戚の誰もがララの女性になりたい気持ちを理解し、理想的ともいえる状況なのです。なかでもシングルファーザー・マティアスの愛情深さは心打たれるものがありました。

 

口数少なく感情を表にださないララが選んだ道。ラストシーンまで目が離せません。

 

「女性自身」2020年4月21日号 掲載

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