007制作陣が放つ復讐劇『リズム・セクション』に心揺れる
プレイク・ライヴリーが、薬物依存症の娼婦から孤独な暗殺者へと変貌するステファニーを好演。

家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は、007製作陣が放つ暗殺者の復讐劇、映画『リズム・セクション』をご紹介。

 

■『リズム・セクション』8月5日DVD発売。価格/3,400円(税別)。発売・販売元/NBCユニバーサル・エンターテイメント

 

大切な人を失うというつらい思いは、生きていれば誰しも経験するものですが、もしも家族全員を一度に失ってしまったら……。

 

『リズム・セクション』は、3年前の飛行機事故で家族を失った女子大生ステファニーが、薬物依存症の娼婦になって無気力な生活を送っているところから始まります。

 

ある日、客としてやってきたジャーナリストから「あの事故は、実はテロによるもので、黒幕を追い詰めたい」と言われたステファニーは復讐を決意。諜報員Bを訪ね、厳しいスパイ養成の特訓を受けますが……。

 

冒頭で大きく映し出される娼婦のひどいやつれ顔。これが、人気の米ドラマ『ゴシップガール』で主役だったゴージャスなブロンドのブレイク・ライヴリーとわかって、記者はビックリ。しかも実際の彼女は今、3児の母。まるで別人で、さすがの役作りです。

 

タイトルは、戦うときの呼吸や心拍音をリズムにたとえたもので、体にたたき込んだそのリズムで、復讐が展開されます。特に、激しいカーアクションは見ごたえ抜群。でも彼女は殺す相手の家族への罪の呵責を感じて、冷徹になれません。

 

戦争もそうですが、正義の陰には見えない犠牲者がいることを、この映画はさりげなく語っています。その微妙な心の揺れを母であるライヴリーが演じ、ひと味ちがった暗殺者映画になっています。

 

(文:西元まり)

 

「女性自身」2020年8月11日 掲載

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