■意表を突く展開が連続のストーリー
小柄な小泉今日子と身長が釣り合わず、苦労したことも。
「背の高さを調整する台が常備されていました。業界用語で『セッシュウ台』と言います。一つのタイトな画面にたくさんの登場人物を詰め込むのが増村保造監督のスタイルだったので、長門裕之さん、岸田今日子さん、松村達雄さんなど錚々たる出演陣が台を一段、キョンキョンは台を二段重ねにして立ち、その間を僕が縫うようにして歩いて、長ゼリフを言うシーンもあったんです」
同ドラマの最大の魅力は「この薄汚ねえシンデレラ」と、主人公をいじめ抜く石立鉄男演じる刑事など、大げさなセリフを放つ強烈なキャラだ。
「台本を見ると《パパっ! ママっ!》といった具合に、何に対しても語尾には『っ』や『!』が入っていました。最初は入っていなくても、追加されるんです。話の展開にも意表を突かれっぱなしでした。たとえば音大でキョンキョンが率いる野良猫チームが、ライバル関係にある賀来(千香子)ちゃん率いるお嬢さまチームとドッジボールで対決するのですが、そもそも指が命のピアニストがドッジボールをするなんてありえないですよね(笑)」
とはいえ、こうした特色がクセになる魅力となり、20%を超える平均視聴率をたたき出したのだ。
【PROFILE】
辰巳琢郎
’58年生まれ、大阪府出身。’84年のNHK朝ドラ『ロマンス』で全国区デビュー。8月31日~9月3日、博品館劇場の舞台『シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~』に出演し、来航200年となるシーボルトを演じる
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