2月12日、弟の結婚式に出席するためにグアムに来ていた杉山利恵さん(享年28)が悲劇に襲われた。深夜1時まで営業しているショッピングモールは、その夜もリゾート気分を満喫しようという日本人観光客たちで大変な人出だったという。

 

チャド・ライアン・デソト容疑者(21)が運転する車が80キロ近いスピードで、歩行者をはねながら歩道を200メートルも暴走してきたのは午後10時22分。ベビーカーをはね飛ばし、車は壁に衝突して停止した。ベビーカーに乗っていたのは、8カ月になる利恵さんの赤ちゃんだった。

 

容疑者がナイフを2本持って降りてくると、近くにいた祖母の上原和子さん(享年81)を2回刺し、次に赤ちゃんを守ろうとした利恵さんに切りつけた。利恵さんは子供をかばうために、首や背中を5カ所も刺された。その後、容疑者は利恵さんの3歳の娘にも襲いかかったが、夫が身をていしてかばった。

 

「利恵さんの長女はこちらには昨年の4月に入園されたんです。いつもお母さんが車で送り迎えをされていました。お母さんのおなかが大きいときに、おなかをさすりながら長女も一緒に下の子の誕生を楽しみにしていました」

 

そう話すのは保育園の園長。利恵さんは、栃木県栃木市で両親と夫、子供2人の6人暮らしをしていた。長女の誕生日は11月で、利恵さんは誕生日のメッセージを書き、それを昨年の誕生日に長女に読んで聞かせてあげていたという。

 

「メッセージは、確か『妹が生まれたから頑張っているよね』というような内容だったと思います。メッセージは大切に保管してあります。私たちもどのようにご供養させていただいたらいいのか、本当に悩んでいます。そのお誕生日のメッセージを読んで差し上げたらと、今思いました」(前出・園長)

 

娘へのメッセージカード、そこには「妹思いの優しい女の子になってほしい…」、そんな願いが込められていたに違いない。

 

 

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