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平田奈津美さん(享年13)と星野凌斗くん(享年12)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された山田浩二容疑者(45)。その後の報道で、山田容疑者は過去にも少年監禁事件など似たような犯行に及んでいたことが発覚。次々とその正体が暴かれてきた。

 

だが、彼の凶悪性の原点についてはいまだ明らかになっていない。そこで本誌はその片鱗を探るため、山田容疑者が育った大阪府枚方市へと再び向かった――。

 

両親と妹の4人家族だった山田容疑者は、枚方市内の公団住宅で幼少期を過ごした。そんな一家がこの公団から枚方市内の一戸建てに引っ越したのは、84年のこと。山田容疑者が中学2年生のときだった。当時のことを聞いてまわると、みな一様に「しゃべりたくない」と口を閉ざす。だが、あるひとりの住民がようやくその重い口を開いてくれた。

 

「お父さんはパン屋さんに勤めていて、お母さんもパートに出ていました。裕福な家庭ではなかったけど、2人と真面目に朝早くから一生懸命働いていました。お父さんもお母さんもとても大人しい性格で、近所付き合いはほとんどなかったみたいです」

 

当時から山田容疑者の非行ぶりは近所で有名だったという。物静かな両親には、彼を止める手立てがなかったのかもしれない。この住民は当時の一家の荒廃ぶりをこう続ける。

 

「とにかく汚い家でした。玄関の両脇には不要品が乱雑に放置されている状態で、2階のベランダにも子供のオモチャが散乱していたのを覚えています。このあたりの家はみんな玄関先に花や観葉植物を置いてキレイにしているんです。だからなおさらあの家の汚さが際立っていて、まるで“ゴミ屋敷”といわんばかりの荒れようでした」

 

中学を卒業しても山田容疑者は定職につくこともなく、その凶悪性はさらにエスカレートしていく。それに呼応するかのように、自宅の“異様さ”も次第に増していった。

 

「汚いだけではなく、だんだん異臭がするようになってきたんです。あの家庭では猫を飼っていたのですが、その猫が死んでしまったそうで……。なのに死体を敷地内にほったらかしたまま暮らしていて、そこから虫が湧くほどだったみたいです。異臭も、その腐乱死体から来ているものでした。ご近所さんが『こっちにまで虫が来るねん。臭いもそうやし、もう耐えられへん……』と言っていましたから、よく覚えています」

 

01年、一家は今回事件を起こした山田容疑者が住んでいた寝屋川市内のマンションへと引っ越している。そして翌02年、32歳のときに男子中学生への監禁事件で逮捕された。前出の近所の住民は、こう振り返る。

 

「たしかに中学生の時点で、もう歯止めがきかなくなっていたように思います。ただ、そのもっと前の段階で『ダメなことはダメ』ときちんとしつけができなかったんでしょうか。誰か、彼にものを言える人がいれば……。そう思わずにはいられません」

 

荒廃した思春期時代そのままに成長してきた山田容疑者。彼はもう、厳罰をもってしか止められない――。

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