自民党の圧勝で幕を閉じた今回の衆院選。実は「安倍自民党の圧勝が私たちの家計にとってマイナスになる」と複数の経済の専門家たちが本誌に証言している。2015年には、負担が増大し家計への“逆風”の嵐が吹き荒れるというのだ。第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生さんはこう語る。
「株価は、来年の1月には2008年のリーマンショック後のピーク時と同じ、1万8千円くらいには上がるでしょう。しかし、すぐにまた下落基調に入ることが予想されます。春以降は1万5千円くらいまでの水準で落ち着いてしまうことが考えられます。いっぽう、円相場は安倍政権の円安誘導で、6月には1ドル=130円台に突入するでしょう」
1ドル=120円台に突入した円安の影響は商品の値上げに現れ、負担増は始まっている。
「2014年の秋から冬にかけて、吉野家の牛丼並盛が300円から380円へ、日清食品のカップヌードルが170円から180円へなど、値上げが相次いで発表。年が明けてからもパスタソースやアイスクリーム、乳製品の値上げが決まっています。食品以外でも円安を理由に2014年11月には食品ラップが10~20円値上げされ、2015年1月出荷分のトイレットペーパーなどが約10パーセント値上げされることも発表されました」(経済ジャーナリスト)
熊野さんは6月に1ドル=130円を突破すると予想。円安進行による値上げは必至だ。
「影響が出始めるのは10月ごろで、食品や日用品など輸入に頼る物品はさらに10パーセント近く値上げされることも予想されます。2015年の10月には各企業がもう一段の値上げを発表されると考えられます。牛丼の並盛が500円、即席カップめんが200円まで値上がることになるでしょうね」(前出・経済ジャーナリスト)
経済アナリストの森永卓郎さんも秋の再値上げにについてこう指摘する。
「全体では年間2パーセントの物価上昇になると思いますが、牛肉や加工食品など原材料を輸入に頼るものは、軒並み値上げされるでしょう。2014年に、円安が進んだために値上げされたものも、当然、再値上げが予想されます」