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世界各国で相次いで女性リーダーたちが活躍するなか、日本もまた転換期にさしかかっている。小池百合子氏が東京都知事になり、野党第一党・民進党代表に蓮舫氏が就任し、現在の内閣には3人の女性閣僚がいる。いよいよ女性の首相誕生も近そうな気配が漂うが……。そもそも女性がトップに就任することで、日本の何が変わるのだろうか。

 

「女性が国のトップになることには、まず第一にシンボリックな意味があります。それは、国政以外の組織でも『女性もトップに立つことができる』という、女性たちへのメッセージとなるのです」

 

そう説明するのは、マスメディアとジェンダーについて研究する竹信三恵子・和光大学教授だ。それでは、実際にトップの座に近そうな、日本の女性政治家3人について見てみよう。まずは小池百合子都知事だが、竹信教授は、「豊洲への市場移転の問題で強い指導力を発揮して、船出はよかった」と、評価をするものの、次のように話す。

 

「しかし彼女が女性特有の問題について、どれほど関心があるのかどうかはまだまだ未知数です。韓国人学校への都有地の貸与を白紙と表明していますが、人権問題、ひいては女性の権利についてどれだけ考えているのか、注意して見ていくべきでしょう」

 

同じく自民党で閣僚も経験した、野田聖子氏はどうだろう。

 

「男女の権利についてきちんとビジョンを持っている人ですが、今の政治の世界では明確に主張する女性は疎まれがち。だから総裁選に出馬を表明しても推薦人が集まりきらなかった。現状維持派にとって、都合のいい人ではない、ということがはっきりしてしまった」(竹信教授)

 

野党ではどうか。民進党代表に圧倒的な支持で就任した蓮舫氏だが、こちらも評価は二分されている。

 

「発言の歯切れもよく発信力のあるところが魅力だった。ところが、自身の二重国籍の問題で発言が二転三転してしまったのはまずかったですね」(政治ジャーナリスト)

 

彼女が自民党から政権を奪取するとすれば、として竹信教授はこう語る。

 

「『脱原発』が躍進のカギではないでしょうか。しかし、民進党の支持団体には電力総連も含まれます。そうした『しがらみ』と蓮舫氏がどこまで対峙することができるかにかかっていると思いますね」

 

今のところ日本で女性トップになるであろう、抜きん出た存在がいるとは、どうやら言い難いようである。その背景にはこんな問題があるそう。

 

「小選挙区制になってから、当選のためには、ただひたすら有権者と握手しなくてはならない状況になってしまいました。志をもって専門的な勉強をしながら、政策をしっかり実行しようと思っても、握手ばかりに時間をとられてしまう。これでは女性の政治家は増えません。今までのように有力政治家たちの意に従うだけの、上意下達の“神輿”的なリーダーが欲しければそれでいいでしょうが、もはや、そんなリーダーではだめ。生活が多様化した現代は、得意分野が違う人を調整していく、コーディネーター型のリーダーが必要なんです。そうした強権的でないリーダーには、実は女性はとても向いている」(竹信教授)

 

そのためには、“クオーター制”の導入が不可欠だという。

 

「クオーター制とは、議会の中で男女の比率が偏らないようにするシステムです。現在、80カ国ほどで導入され、中国や韓国でもすでにとりいれられていますが、日本は完全に出遅れてしまいました」

 

圧倒的に女性議員の割合が低い日本。そんな日本で、女性の声を代弁し、性別を問わず、市民の暮らしを守る女性リーダーが生まれるのはいつになるだろうか。それは、彼女たちの奮闘だけでなく、私たち有権者自身が、いかに声を上げていけるかにかかっている。

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