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「かねて準備してきた《都民ファーストでつくる新しい東京〜2020年に向けた実行プラン》を報告いたします」

 

昨年12月22日に行われた’16年最後の定例会見で、小池百合子東京都知事は自信に満ちた表情で話した。就任から約5カ月、小池都知事は多くの都政改革に着手してきた。そして、会見では待機児童ゼロ、動物の殺処分ゼロなど“ゼロ化宣言”を連発。そこで、本誌は次の3つのゼロに注目したい。小池都知事が掲げる新しい“都民ファースト政策”の実現の可能性を検証してみた−−。

 

■待機児童ゼロ

 

’16年の都内の待機児童数は8,466人と増加しているが、都の担当者はこう説明する。

 

「’19年度末までに、保育を利用する児童数を7万人増やします。これは、小池都知事の就任以前と比較して年間約5,000人もの大増員。資格があっても勤務していない“潜在保育士”の就職も促進します。保育スタッフの宿舎借り上げをする事業者には1戸あたり月8万2,000円を補助。これまで最初の5年だけでしたが6年目以降も継続します。また職責に応じた給与体系をつくった事業者には、モデルケースとして100人定員の認可保育所で働く1人につき、2万1,000円分補助します」

 

しかし、経済評論家の加谷珪一さんは、規模を考えれば「まだ先は長い」と見ている。

 

「子育てなどが理由で働きたくても働いていない女性は、就職活動中の人で約15万人。就職をあきらめた人も含めれば50万人はいるでしょう。ですから“7万人では追いつかない”というのが現状です。ただ、この取り組みは全国的に評価されるでしょう。これをきっかけに保育所が“よい就職口”と意識改革が起きればなおさらです」

 

■動物の殺処分ゼロ

 

都の動物の殺処分について担当者が現状を教えてくれた。

 

「’83年度の約5万6,000頭から、’15年度には816頭と殺処分数は減少しましたが、安楽死や引き取り後に死んでしまった数を除けば203頭となります。内訳は犬10頭、猫193頭で、これをわれわれは’20年までにゼロにしたい。引き取られる数を減らす方法も考えながら、譲渡を増やす取り組みを普及啓発していきます」

 

この回答に対し、NPO法人「東京キャットガーディアン」代表の山本葉子さんは、次のような提案をする。

 

「殺処分対象の大半は猫です。いま小池都知事にお願いしたいのは、レスキューの現場で実働している私たちのような“猫の専門家”を有識者会議に加えてほしいということ。現状では、民間の譲渡事業に都の補助は一切ありません。民間で引き取りと譲渡が完全にできれば、すぐにでも殺処分ゼロは達成できますから、困っている団体への補助をぜひ検討していただきたい」

 

■都庁の残業ゼロ

 

小池都知事が公約に掲げたことで始まった「20時完全退庁の推奨」だが担当者はこう話す。

 

「小池都知事の最初の提案は18時でした。私たちは『22時退庁案』でしたから、本当にビックリしましたね(笑)。ただ、小池都知事の旗振りのおかげで職員が一丸となってアイデアを出し合い、『20時完全退庁の推奨』が実施されているのは間違いない。小池都知事が会見で発表した『残業削減マラソン』は、各部署が削減率を競うもので10月の1位は前年同月比で41.4%減。職員全体の超過勤務も月3時間減。20時半までに9割が退庁しています」

 

前出の加谷さんが言う。

 

「公務員は効率を上げれば時短できますが、民間企業の場合は売り上げとの兼ね合いもある。一般に広く浸透するかというと難しい部分がありますね。でも、どうせ無理だろうという“組織の常識”を覆させた発想は、さすがです」

 

’17年も都知事の“改革ファースト”から目が離せない。

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