「この1月から、給与の所得税額の2.1%が復興特別所得税として徴収されます。今後、電気代も食費も上がることを考えると、庶民は赤字を出さずに暮らすだけで精いっぱいかもしれません」

 

そう話すのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。アベノミクス相場といわれ上がっている株価。そこで、お金を殖やそうと株の購入を考えている人もいるのではないだろうか。しかし、もし購入するなら、十分な余裕資金がなければ危険だと荻原さんはいう。

 

「まだデフレという状況ですから、虎の子の貯金をはたいてまで素人が株に投資することはないでしょう」と語る荻原さんが、家計立て直しの切り札としてオススメするのが信用金庫(以下・信金)だ。

 

「少しでもいいから、手堅く殖やしたいというなら、最寄りの信金の預金を調べてみましょう。信金は、株式会社である銀行と違って、地域の人たちが利用者や会員となって、互いに地域の繁栄を目指す相互扶助を目的とした組織です。そのため、信金は預金を多く集めて多くの地場の企業に貸し出さなくてはならないので、個人向けにお得なキャンペーンを打つなど、預金集めに熱心です」

 

信金は営業エリアが限定されており、たとえば東京の城南信金に関西在住の人が口座を持つことはできない。だが、最近はインターネットなどで全国から預金できる信金も出てきているという。また、その土地の特色を生かしたユニークで画期的サービスや金利上乗せキャンペーンを打ち出す信金も増えている。

 

「例えば、城南信金の懸賞金付き定期預金『スーパードリーム』。これは預金額に応じて抽選で、懸賞金最高100万円×10本があたるというもの。東京ベイ信金は、子どもの人数に応じて金利が上乗せされる子育て応援キャンペーンを行なっていますし、尼崎信金の阪神タイガース優勝で、全国で使える全国百貨店共通商品券5万円がもらえる定期預金なども地元ではかなり盛り上がりを見せているようです」

 

そのほかにも、広島信金、播州信金などでは乳がんなどがん検診を受診することで金利が上乗せに。福岡ひびき信金では、飲酒運転事故の減少件数に応じて金利が上乗せされる定期預金などを打ち出している。景気対策が進んでも、庶民の給料アップは先送りになりそうな気配……。安全で夢のある貯め方で、手堅くお金を守っていくしかないようだ。

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