「この1月で64歳になりました。父が65歳で亡くなりましたから、私もあと1年だと思っています。看取らなければならない人がいなくなって、今度は私の番。私の死はもう始まっているのよ」スラリとした細身の体を動きやすそうな黒のパンツスタイルに包み、背筋をピンと伸ばしたまま、羽成幸子さん(64)は少しほほ笑んだ。ショートボブ、首元にはスカーフ、よく通る声。実年齢よりずっと若々しい...

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