「昨年末から店頭でフェアを組んで、当店でも美文字関連の本を大きく取り扱っていますが、今年に入ってからも売れ行きは落ちていません。むしろ年明けからのほうがよく売れているほどで、引き続き話題書のコーナーで大きく展開しています。電子メール全盛の今、あえて美しい文字で一筆添えることに価値を見いだされていらっしゃるようです」(リブロ池袋本店担当者)

 

最近、誰もが憧れるようなきれいな文字『魅せ字』や『美文字』を書くことが大ブームとなっている。書道教室やペン字のスクールは、春の新生活シーズンを迎えたこともあって、どこも盛況のようだ。またペン字や書き文字をトレーニングする書籍の売れ行きも好調だという。

 

この美文字ブームには、テレビ番組の影響も大きいようだ。『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日系)では、美人書道家の中塚翠涛さん(33)がゲスト出演したタレントの文字の美しさをジャッジする『美文字大辞典』が大人気となっている。前身番組の『白黒ジャッジバラエティー 中居正広の怪しい噂の集まる図書館』から合わせると3〜4月のわずか2カ月だけを取り上げてみても6回もの特集が組まれ、その人気コンテンツぶりがうかがえる。

 

「テレビ番組の人気を受けて、中塚さんの著書『30日できれいな字が書ける筆ペン字練習帳』(宝島社)は一時期入荷できないほどでした。現在は専門コーナーだけではなく、お客様の目につきやすい1階売場と複数展開中です」

 

そう話すのは紀伊國屋書店新宿本店の実用書コーナー担当者。盛り上がるブームについて、この担当者に詳しく話を聞いてみると、美文字関連の本はなんと例年の5倍以上の売れ行きだそうだ。また大人の文字だけではなく、子どもの文字にも高い関心が集まっている。児童筆跡心理研究家の石崎泉雨さんの『わが子の筆跡で「いじめ」が見抜ける』(講談社)は4月中旬に発売され、わずか2週間足らずで1万部以上を記録し、ベストセラーとなっている。

 

「石崎先生の本は、お母さま世代の方にペン字の本と一緒にお買い求めいただいていますね。それ以外のお子さまの文字関連の書籍ですと、当店では『3つのかんたんルールで字がうまくなる「まほうの下じき」付き 子ども六度法ノート』(富澤敏彦著・旬報社)もよく売れています」(紀伊國屋書店新宿本店担当者)

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