東京・有楽町と新橋の間のガード下に並ぶ飲食店街のなかほどに、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂がある。その厨房で、三角巾をかぶったおばちゃんが一人、黙々と後片付けをしていた。彼女は今年4月、著書『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子さん(55)だ。「336655のゾロ目」と、人なつこい笑顔を向ける。その意味は、昭和33年の6月6日生まれの55歳。「祖父...

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