現在、2千種類以上もあるというレトルトカレー市場。その中でたった1ブランドが全体の約2割のシェアを占めている。’99年発売の『カリー屋カレー』シリーズだ。他を圧倒するその人気の秘密は何か?ハウス食品の商品企画担当者で、社内では“ミスターレトルトカレー”といわれているという船越一博さんに、話を聞いた。

 

「味の中で何か“癖”が突出しているわけではなく、かといって自分ではなかなか作れない味。これが『カリー屋カレー』の特徴。つまりスタンダードと本格派の味わいを併せ持っているということです」

 

しかも、驚くべきは129円(税込み)という値段。スーパーの特売日などなら100円以下のこともある。

 

「やはり購入されるのは主婦の方が多いので、そのお得感はあると思います。ただそれだけではなく、「カリー屋カレー』はハヤシを含め、中辛からチキン、コクデミカレーまで8アイテムあるので、家族の好きなものを考えながら、一度にたくさん買っていただける。味や具の違う選択肢が多い商品なんです」

 

『カリー屋カレー』が企画から完成まで、開発に要した期間は約1年半。発売当初は中辛と辛口の2種類だったが、その後甘口や大辛などを追加。すると売り上げはさらに伸びていく。そして現在、発売から15年で累計13億食を突破するオバケ商品となった。

 

「実はこれまで2度の大きな改良をおこなっています。まず’08年にカロリーと内容量を変更。そして’12年には乳アレルギーの原因となる原料を使用しない配合に変更しました。とりわけ、カロリー減で味が落ちないようにするのは大変苦労しましたね」

 

さすが“痩せたいけど食べたい”という主婦の気持ちがわかってる。では辛さの一番人気は?

 

「シェア約4割が中辛です。ですから、商品開発は、まず中辛の味をベースに新しいアイテムを開発していきます。その際、中辛の完成度に負けないよう注意が必要。そういう意味では、カリー屋カレーのライバルはカリー屋カレーなんです」

 

今後はどういう方向に改良していくのだろうか。

 

「目標はアイテムを10種類まで増やすことですね。時代と共に味覚の好みも変わります。軸を忘れず、新しいニーズに合わせて“幅”を広げていくということでしょうか」

 

新商品の登場が楽しみだ!

 

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