「最近の外食のお惣菜は、安くて種類も豊富。本当に便利ですが、その裏側はニセモノや混ぜ物によるごまかしだらけ」

 

こう警鐘をならすのは、食品安全教育研究所代表の河岸宏和さん。一見、味も見た目も問題ない料理が、まったく異なる材料から作りだされているケースが少なくないという。その一部を紹介してもらうと……。

 

「ひき肉に、リン酸塩や植物性タンパクを足してカサ増しをしているケースが少なくありません。リン酸塩はスポンジのように水を抱える性質があるので、増量効果があります。植物性タンパクとは脱脂大豆がほとんど。要は大豆カス。そこに化学調味料もプラスして、人工的な味付けも。こうしてわずかなひき肉から大量のハンバーグが作られるのです」

 

ひき肉から作られるギョーザも同様。コロッケ唐揚げでも、リン酸塩や植物性タンパクを使ったカサ増しがあり、揚げ物の場合は、酸化した古い油を使い続けているケースも。

 

「回転すしで人気のねぎトロも、赤みの端肉に植物性油を混ぜた人工ねぎトロである場合が多い。脂分が多いのでトロッとしており、むしろおいしく感じられてしまうんです」(河岸さん)

 

食の汚染に詳しいジャーナリストの郡司和夫さんは、これらの物質に対して「すべて体によくない」という。

 

「リン酸塩は、とりすぎると体内のカルシウムを尿と一緒に排出してしまう恐れがあります。骨粗しょう症の原因にもなるといわれており、育ち盛りのお子さんはもちろん、女性もなるべく食べないほうがいい。植物性油は、植物油や魚の油に水素を添加して、固められたもの。こうして人工的に作られてたものはトランス脂肪酸と呼ばれ、心筋梗塞やがん、アレルギーを誘発するといわれています」(郡司さん)

 

すでにヨーロッパなどでは規制されてますが、日本ではいまだに規制対象外だそう。『規制するほど食べられていない』ことが、その理由ということだが「大量に食べ続けるとどうなるか……」と郡司さん。

 

それでは、外食先でこれらの偽装食品を見破るためには、どうしたらいいだろう。

 

「もっともわかりやすいのは、成型肉。切ってみて、断面の繊維が同一方向でなければ成型肉でしょう。またリン酸塩や植物性タンパクでカサ増しした料理は、食品本来の味や歯ごたえがないのも特徴。ソースやドレッシングの味しかせず、食感特有の食感もない料理は、素材で勝負できていない点で、怪しいと思ってようでしょう」(河岸さん)

 

河岸さんと郡司さんは「いずれにせよ安い!と思うメニューは疑ったほうがいい」と声をそろえる。外食先でも、健康に悪くないメニューを選ぶ、確かな目を養いたい。

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