「自然本来の姿に近い島でくらしている猫たちは、私が思っていた以上にかわいくて。正直、島を訪れる前は、もっとやさぐれたイメージだったんですけど、フレンドリーで、猫カフェにいる猫よりも人懐っこく遊んでくれました。子猫を育てているおばあさんは、孫が島に来るのは夏休みだけなので、『猫は、孫よりかわいいわよ』って楽しそうに」

 

そう話すのは猫写真家の石原さくらさん(37)。島の猫たちの生活を描いたテレビ番組『しまねこ日和』(テレビ愛媛)がこのたび、DVDで発売される。出演者は、島の猫たちのほか、石原さん。人間15人、猫100匹。愛媛県大洲市の沖合にぽつりと浮かぶ青島は、“猫島”の中でも、新たな聖地といわれている。車は1台もなく、民宿も食堂もない島でくらす猫たちは、自由でのんびり。

 

猫を撮影する石原さんは、つねに身を低くし、話し方もゆったりとしている。そのポケットには猫じゃらしも。

 

「猫は、急な動きを怖がるし、立って近づくと逃げます。5メートルくらいまで近寄ったら、そこからは低い姿勢でじわじわと。で、目をそらす。目を凝視すると、威嚇していると思われちゃうんです。声の掛け方も、人間の赤ちゃんをあやすような感じがいいですね。猫じゃらしもただ振るだけでなく、紙の下で音をたてたり、床をはわせていたのを急に上げたりすると、上手に猫ちゃんの気を引けます」

 

そんな石原さんが、猫をかわいく撮る方法を教えてくれた。

 

「顔のアングルが大事です。猫の目線と同じくらいの高さか、やや下から撮りましょう。俯瞰で撮ると、鼻が長くて目つきが悪くなってしまうんです。上から撮る場合は、カメラ目線で上目遣いになるように。飼い猫だったら、カメラに慣れさせるのが第一。大好きな飼い主が、見慣れたものを使っていると思って、自然に表情が和らぎます」

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