「ここ数年は、空き巣の被害も通年化しているものの、空き巣といえば秋の季語といえるくらい、とくに10〜11月は確実に増えます。この季節は運動会や秋祭りなどの行事も多く、さらに行楽シーズンでもあり、家を空ける機会が多いことが最大の要因。また、涼しくなり窓を開放する時間も長くなるとともに、日が暮れ始めるのが早くなり、泥棒の活動時間が長くなることも影響しています」

 

そう語るのは、警視庁犯罪予防研究所の初代室長をつとめた清水賢二氏(ステップ総合研究所特別顧問)。これまで多くの空き巣犯の行動を調査し、防犯の大切さを説いてきた。清水氏によると10月、11月は、1年でもっとも空き巣が増える月だという。

 

また、最近は、レーダーに補足されにくいステルス型戦闘機にちなんで、誰にも知られずに狙った家に侵入する“ステルス型空き巣”も増えているそうだ。

 

「これまでは、ターゲットになる家が見つかったら、不審者として通報される危険を冒してでも、侵入方法や逃走経路を確認するため3〜4回は下見をしていました。しかし、最近は、グーグルアースやストリートビュー、マップソフトを駆使して、ターゲットの家に近づかなくとも簡単に下調べができるようになったのです」

 

私たちにとって便利なはずのインターネットが、空き巣の手口を大きく変えたのだ。知らないうちに狙われ、忍び寄られてしまう……。そんな“ステルス型空き巣”の怖さはまだある。

 

「標的になった家の住人が、ツイッターやフェイスブックなどのSNSを使っていれば、在宅か留守かの情報、旅行の計画の有無、週末の行動パターンだけでなく、室内の様子や現金を持っているかどうかの個人情報も筒抜けです」

 

そんな“ステルス型空き巣”犯からわが家を守るためにはどうすればいいのだろうか。清水氏が防御策を教えてくれた。

 

【玄関先を乱雑にしない】

家屋入口のだらしなさは、家人の心の隙を表す。散乱した落ち葉やゴミ、伸び放題の庭木、たまった新聞は「狙いやすい」家に見える。

 

【2階のベランダをプチ武装】

植木鉢を並べたり、歩くと音が出る玉砂利やトタンを敷き詰めたりするだけでも効果大。テグスを張り巡らすなどの攻めの対策も有効。

 

【3カ月に1度、外観をアップデート】

泥棒の下調べは平均3カ月ほど。その間に植木鉢の位置や自転車や庭木道具、掃除道具の置き場所が変わっただけで、諦めることが。

 

【家の裏手&横手に“台”を置かない】

2階への侵入は表から見えない家の裏や横から。それを手助けする、古タイヤやビールケース、家具など“台”になるものは置かない。

 

【すべてのカギを二重ロックに】

粘着質が多い空き巣犯に対しては「ワンドア・ツーロック」が鉄則。玄関は3重の備えなど2つ以上の工夫を凝らした守りが必要。

 

食欲、読書だけでなく、防犯の秋。しっかり対策しよう。

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