「『緊張する』とはどういう状態かを考えてみましょう。じつは、緊張するとは、その物事に対して前向きな気持ち=やる気スイッチが入っている状態なのだと理解してください。本当はどうでもいいものだったり、まったく関心がないことだったら、緊張しないでしょう。だから『緊張している自分』を正面から受け入れてしまうことが、失敗しない第一歩なんです」

 

こう話すのは、スピーチプレゼンのトレーナー・森裕喜子さん。スピーチをすることでプレゼンを成功させるノウハウを多くのエグゼクティブに指導してきたプロフェッショナルだ。これからGW前まで続く、保護者会、歓迎会やママ友会などの行事では、なんといっても自己紹介が付きもの。そこで、森さんに“30秒で心をギュッと掴む”自己紹介のコツを教えてもらった。

 

【保護者会】

1・挨拶

「まずは、しっかり皆さんの前に立って、キチンと頭を下げて礼をします。そして向き直って、すぐに話し出すのではなく、3秒ほどちょっとまって、しっかり息を吐き出してみるんです。そして、呼吸が落ち着いて、その場の空気を感じることができると、第一声がスムーズに出ますよ」

 

2・共通の話題

「日ごろ子どもと接しながら感じていることを話すことで、『あるある感』つまり共感を得るのがポイントです」

 

3・弱み

「共通の話題を出して、そこからくる自分の気持ちを吐露します。本音、弱みをポロッと出すと効果的。深刻にならないように、オチをつけることができればベターです」

 

4・謙遜

「弱みの後に、下手にでながら“皆さまにいろいろと教えていただければうれしいです”など、『お願い』ができれば、聞く側には『頼られているんだ』と感じられて、親近感が増します」

 

5・最後にもう一度挨拶

「謙遜しつつお願いしたところで、話のオチはつきましたが、最後も肝心。もう一度落ち着きを取り戻して、深くお辞儀して挨拶します」

 

【歓迎会】※1と5は「保護者会」と同じ

2・プロフィールや前歴など

「もっとも簡潔にまとめた前歴を話します。ここで絶対にやってはいけないのは、前の職場を新しい職場より、よく思わせること。『◯◯という大企業から来ました』などと何の気なしに言ってしまうだけで、取り返せない反感を生みます」

 

3・プライベート、趣味など

「これは気取っていると思われないように、高尚すぎない程度がいいでしょう。『山歩きにハマっていて“森ガール”だと思ってください』というレベルなら、ホッとされます」

 

4・抱負

「これは、謙虚さを込めつつ、積極性をアピールします。たとえば『社会人1年生に戻ったつもりで、全力で頑張ります!』などが、期待感が高まって好感が持てますね」

 

最後に、森さんが勇気づけてくれるひと言を。

 

「なんだかんだ言っても、聞いている側は、案外話の内容は気にしていないものです。要は、あんまりうまくしゃべろうとしないほうが、結果的にうまくいくんです!」

 

あなたを魅力的に見せる自己紹介を身につければ、保護者会デビュー、職場デビューもバッチリだ!

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