「あのころのいじめがなければいま弁護士になっていなかったでしょう。なかったことにしたいと思っても、それがいまの私につながっているんです」

 

そう語りはじめたのは、情報番組でキレのいいコメントを出す美貌の弁護士として人気の菅野朋子さん(44)。だが、旧司法試験に合格したのは37歳のとき。小学校から高校まで一貫教育の名門私立校で、中学3年のとき突然、無視が始まった。クラス中が加担し、ほぼ1年間、誰とも話さず、その後保健室登校もしたが、拒食症とうつ病を併発し限界が。

 

結局高校2年時をほぼ欠席。中退を決め、1年遅れて高校2年に転入した。そこからは指定校推薦で立教大学に進学したが、うつと摂食障害は続いた。就活も断念し、卒業2年後に大学時代から交際していた相手と結婚。しかし「このまま1度も挑戦しない人生なのだろうか」と自問自答の年月が続き、漠然と司法試験を受けてみたいと思ったのは妊娠が判明する直前。

 

「出産後、子供を守り育てようと思ったとき、合格したいという意欲がすごく高まりました。家事、育児の隙間時間を見つけて必死に勉強していましたね」

 

勉強と育児に心を奪われ、夫とはすれ違いとなり、試験勉強中に離婚が成立。その後は両親と同居しながら合格を目指し続けた。そんな彼女が語る、ドロップアウトから立ち直る4カ条とは……。

 

〈1〉つらい記憶をバネにする

「つらい記憶が忘れられないのであれば、それをリベンジの糧にしてしまう。悔しさを原動力にして何かをなしたとき、つらい経験はおのずと克服できているし、以前より強い自分になれると思います」

 

〈2〉自分のつらい体験を若いコたちに話す

「いま悩んでいるコとお互いに体験を話すことで共有し、共感することができます。話すことで受け入れることもでき、つらい体験も悪いことばかりではないと気がつきます」

 

〈3〉学校に多大な期待をしない

「学校が何かしてくれると期待すると、失望させられます。そもそも多大な期待をせず、こんなものだと思うと楽になれます。自分の子供にも、毎日楽しく通えたらそれでよしと思えるようにもなり、過干渉にならずにすみます」

 

〈4〉回復には長い時間をかけていい

「つらい体験をすぐに克服しよう、元気になろうと焦らなくてもいいのだと思います。焦るほど沈んでしまいます。しばらく引きずっても、いつか乗り越えられ、再起できることを信じてその日できることをしましょう」

 

いじめた相手をいまも許していない。しかし、あの体験がなければいまの自分はない。そう思うと「過去を受け入れられる」と菅野さんは言う。

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