無残に引き裂かれた水田には、復興への道のりの険しさを痛感させられる。じつに豊かな熊本の食文化を、少しでも知ることが“応援”になるのであれば−−。そこで“食べて熊本を応援する”をテーマに、著名人たちがお取り寄せできる熊本の“知らせざる名産品”を紹介してくれた。
「酸味がまろやかで、どんな料理にも合う」と、熊本県八代市出身の歌手・八代亜紀さん(65)が太鼓判をおすのが名産・デコポンを使った、ホシサン(株)の「火の国 ぽん酢」(310ml・702円)。上品な甘味のある搾りたての果汁と老舗醤油店の生醤油がブレンドされ、口当たりのよい味わいに。
「バーベキューやパーティなど人が集まるときにはここの馬刺しを取り寄せます。これを目的にわが家にくる人もいるほど」と哀川翔さん(54)がほれ込んだのは、菊陽食肉センターの「馬刺し」(『桜セット』霜降り・上赤身・タテガミ入り・4,980円〜)だ。ブロックでの発送で、鮮度と肉質のよさが際立つ。
「大人になって食べて、あまりのうまさに、小さいときに辛くて食べられなかったことを後悔しました(笑)」と地元の“ソールフード”上田からし蓮根店の「からし蓮根」(3〜4本入り・2,500円)を挙げてくれたのは、熊本市出身の書道家・武田双雲さん(40)。地元産の蓮根を使った手作りのからし蓮根は、ツーンとした風味とシャキシャキの歯触りが心地いい。
「おいしい水と豊かな大地で栽培されたきくらげの香りの強さに、作り手の真摯な姿勢が見えてきます」と、服部栄養学校の服部幸應先生(70)が絶賛するのが、(株)肥後プロダクツの「生きくらげ」(350円)。周辺の家屋は大きな被害を受けたが、奇跡的に倒壊をまぬがれた栽培所が作る“奇跡のきくらげ”だ。
服部先生は、熊本に多くの名産品がある理由をこう語る。
「雄大な阿蘇、天草の海などの豊かな自然、きれいな水、そしてなにより人々のいちずな努力が熊本のおいしいものを育んでいます。食を通して心を寄せる、“食べて応援する”というのも、確かにひとつの手段かもしれませんね」