「花は世界の共通言語―――――」
ローマ法王ベネディクト16世に謁見しブーケを献上、パウロ6世ホールにオブジェも制作した「花人」赤井勝のテーマである。
大阪・泉州出身。英語もしゃべらず大阪弁オンリーで在日各国大使夫人たち向けにフラワーレッスンを定期的に開いている。洞爺湖サミットでは政府主催イベントの装花を担当した。2015年の伊勢神宮式年遷宮では献花奉納するなど独創的な作品を作り出し続けている。また『天才!志村どうぶつ園』であのチンパンジーのパン君に花を教えるという活動範囲の広さ……まさしく「花は共通言語」を貫いている。
その「花人」が初の著書『花と遊ぶ Flower Method』(朝日出版社)で、驚きのフラワーメソッドを初公開した。
「花を飾ることを私は“装花”と呼んでいます。自分を含め見る人を心地よくするためのおもてなしの手段。言葉が通じなくても、境遇が違っても、花を見て綺麗だな、って微笑みあうだけで心が通じ合うことってありますよね。花を通じて心を伝える!それが“装花”です」
和の華道と洋のフラワーアレンジを融合させた斬新なデザインと自由な発想が詰まった一冊。初心者でも楽しく、簡単に暮らしに取り入れられる花の活け方、テクニックやヒントが満載の指南書だ。
「“雑草”でおもてなし~ネコジャラシも立派な花材です」「ハーブ×食器~食器を花器にすれば」など、新しい美意識を呼び起こされる“おしゃれテクニック”は見ているだけでワクワクする。
「この本のコンセプトは一言で言うと“形式や定義を取っ払って花と遊ぶ”。堅苦しく考えがちな“花を活ける”という感覚から『そういうノリで良いんだ』という気軽な感覚で感性を柔軟にして花と遊んだり、誰かに花を贈ったりしてもらいたいと思っています」
3月27日(現地)、パリのルーブル美術館へ日本から桜の枝を1千本持ち込み1日だけの花見を開く。開花調整をしながら一斉に開花させるというアバンギャルドな挑戦だ。公私ともに交流のある林修さんは言う。
「花って、腹が立つほど素敵なんですね。それを思い知らされました、赤井さんに―――」
『花と遊ぶ Flower Method』(朝日出版社刊・定価1600円+税)
著者プロフィール
赤井勝(あかいまさる)
1965年、大阪府生まれ。自らを「花人(かじん)」と称するフラワーデザイナー。2001年在大阪ロシア連邦総領事館の装花。02年電通本社ビル「光の庭」をプロデュース。04年ウクライナ大使館主催「赤井勝 装花の会」を開催。05年エジプト政府観光省主催イベントの装花。09年謁見会場「パウロ6世ホール」にオブジェを制作、ローマ法王ベネディクト16世にブーケを献上。在日各国大使夫人へのフラワーレッスンをはじめ、「北海道洞爺湖サミット」などの政府主催イベントの装花、伊勢神宮式年遷宮の献花奉納など、赤井の独創的な作品は国内外で高く評価されている。