(イラスト:育田 花)
■コミックエッセイ『#こじらせ処女の初彼氏』
今、一部で話題となっているコミックエッセイがある。『#こじらせ処女の初彼氏』(光文社/7月刊)だ。夫婦の馴れ初めから脱処女までの“こじらせた”一年半を4コマ漫画で綴った一冊で、もとはインスタグラムで投稿されていたもの。今回、大幅加筆され書籍化された同書は「こじらせっぷりがひどい!」と話題を呼んでいる。
著者で、現在10万人のフォロワーをもつ育田花さん(インスタアカウント:iktaa222)に率直な感想を聞いた。
「こんなハレンチな内容を加筆までして書籍にしていいのか……、当初は悩みました。でも面白いと言ってくださる方が多くてほっとしました」(育田さん/以下同)
脱処女までの記憶をたどって漫画にしていくうちに、育田さんはあることに気づいたという。
「当時の私は『処女か非処女か』という単純な事にすごくこだわっていた。……と、思っていました。でも改めて過去の自分を振り返って、そうではなかったと気づきました。私は『失敗するのが怖かった』。だから脱処女の決意ができなかったんです」
■「他人に人生を少しだけ委ねる勇気」が必要だった
「私はそれまで、安全圏から出たことがなく、勉強や就活といった自分一人でクリアできることにしか挑戦しなかったんです。でも恋愛は二人でするもので、その先の『結婚』を考えたとき『絶対に失敗できない』と思いこんでしまった。こじらせの原因は“失敗への恐れ”だったと、今は分かります」
脱処女を決意した後も初体験に至るまでが大変だったそうで、二人の悪戦苦闘は『#こじらせ処女の初彼氏』(光文社刊)に余すことなく描かれている。
現在の育田さんは、書籍に登場する「初彼氏」と結婚しワーキングマザーとして育児と仕事を両立させる生活を送っているが、当時のこじらせた一年半を振り返って、今思うことは?
「あの当時だからこそ、真剣に悩めたのだと思います。脱処女への決意って、人生を少しだけ他人に委ねる勇気といいますか……。それまでの人生で得られなかった勇気がいりました。恋愛中は人との関わりや人生に真剣に向き合えたし、いろいろと意味はあったのかな。それにしても、我ながらこじらせたと思っています」
性体験の低年齢化が指摘される中、こんなふうにじっくり時間をかけてはぐくむ関係性も、アリなのでは?
【著者略歴】
育田 花(いくた・はな)
2016年の夏からインスタグラムをスタート。人生初の彼氏とのなれそめから結婚に至るまでを4コマ漫画で描き人気を博す。現在フォロワー数10万人(2017年7月時点)の人気インスタグラマー。プライベートでは育児と仕事に奔走するワーキングマザー。インスタグラムでは本書で紹介しきれなかった結婚後の旦那くんとの、さまざまなエピソードを4コマ漫画にしています。
Instagramアカウント:iktaa222