最近の株主は、株の運用だけでなく、定期的に品物までもらえてお得な「株主優待」を活用している。株主優待とは、株主への還元策として、自社の商品や優待券などを提供する制度だ。

 

優待品でもっとも多いのがギフト券や優待券。食品や飲料、化粧品メーカーなどでは自社商品の詰め合わせが中心。外食やレジャー産業などではグループ店舗で使える優待券、新規企業はクオカードなどのプレゼントが多い。

 

「安定した配当+株主優待を実施している企業への投資は意外と高利回りです。仮に10万円を投資して1千万円の配当金なら1%。そのほかに優待ももらえるなんてお得な金融商品はなかなかありませんよね」

 

そう話すのは、生活経済や個人の資産運用分野に強い経済評論家の木村佳子さん。初心者が株主優待目的の投資を始める場合、どんな点に注意したらよいのだろうか。

 

「初心者のうちは、自分の生活に身近な銘柄を探すのがおすすめです。自分の生活圏の中で、使える外食チェーンの食事券や、好きな商品やサービス、よく行くお店なら観察しやすく流行っているかどうかもわかりやすい。私は『かどや製油』の株を買いました。毎年優待でごま油がもらえて快適です。一生売らないかも」(木村さん・以下同)

 

優待の情報収集は『株主優待ガイド』(年1回発行)といった本を入口に研究してみるのもいいだろう。

 

「今、アベノミクス効果でものすごく上がった株もありますが、一方で、それほど影響を受けない企業もあります。ニュースに左右されないで、堅実に昔から事業を展開している企業を調べると楽しいですよ。株はまだ下がると思いますから、今はゆっくり探すスタンスでいればいいと思います」

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