「広島の土砂災害から数週間が立ち、じわじわとお金のことについて不安を覚える被災者が増えています。被災者になってしまったときのために、誰もが“お金の防災術”を知っておいてほしいと思います」

 

こう語る広島市在住のファイナンシャル・プランナーの波田間純子さんが、被災者になった際にやるべきことを教えてくれた。

 

【1】被災の証拠写真を撮る

「住宅が土砂や水により破損したり、床下床上浸水が起きたりした場合、損害の程度を証明することが大切です。浸水は次第に水が引いてしまうので、最初に水跡のわかる箇所などの写真を撮っておきましょう」

 

【2】損害保険会社に連絡

「損保会社に連絡をすると、鑑定人と呼ばれる被害調査のプロが派遣され、被害額を算定します。連絡があまりに遅れると、被害状況が変わり、算定額に差が出てしまう可能性があるため、早めの連絡を」

 

【3】罹災(りさい)証明を申請する

「罹災証明は、どの程度の災害に遭ったか証拠になるもの。保険の申請や融資の申し込みや税金の減免、公営住宅や仮設住宅への入居などに必要です。早めに取っておけば、さまざまな申請が楽になります。罹災証明の申請窓口はお住まいの各市町村です」

 

【4】クレジットカード紛失時は使用停止の連絡を

「クレジットカードをなくした場合、クレジットカード会社に連絡をして使用を止めてもらいましょう。今回の広島の災害でも、倒壊した民家に泥棒が入ったと聞いています。さらなる被害を防ぐためにも早めの対応を。あわせて、状況が落ち着いたら警察に紛失届を」

 

【5】住宅ローンの支払困難時は支払先に連絡

「住宅ローンの支払いが難しくなる場合、支払先の金融機関に早めに連絡を。何カ月も放っておくと、延滞扱いになり、いわゆるブラックリストに載るケースも。延滞利息もかかるので気をつけて」

 

さらに波田間さんは、こうした被害に遭う前に、防災リュックに入れておくべきお金関連の必須アイテムを提言してくれた。

 

「約1週間+α生活費として10万円を入れておきます。そのうち2万円分は千円札、公衆電話用に100円玉や10円玉も用意しておきます。銀行やクレジットカード会社などの番号、保険の種類や内容などを記録したノートを作っておくこともおすすめです」

 

被災した場合でも、これさえ把握しておけば安心だ!

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