物事にオモテとウラがあるのは世の常だが、安倍晋三首相(60)が成長戦略の目玉政策として掲げる「女性が輝く社会」の実現も、残念ながらその例外ではないようだ。

 

「実は、安倍政権で“ある掃討作戦”が密かに計画されています。作戦のターゲットは専業主婦。聞き心地のいいスローガンが打ち上げられる一方で『専業主婦を続けていると大損をする』という、あの手この手の制度改革へ向けた準備が着々と進められているんです」

 

と明かすのはアベノミクスの暴走を懸念する自民党の有力議員。すでに安倍政権で“配偶者控除”の廃止が既定路線になっているのは周知のとおりだ。今年6月、当時の森まさこ女性活力・子育て支援担当大臣(50)に8ページからなる提言書が手渡された。提出したのは、自民党の有志議員で作る議員連盟『多様な働き方を支援する勉強会』。提言書には前述した「配偶者控除の見直し」をはじめ、女性の社会進出を促すための制度改革案が書かれていた。その中に専業主婦世帯に対する“2つの改革プラン”が明記されていたのだ。

 

1つは「第3号被保険者制度」の見直し。第3号被保険者とは専業主婦のことで、現行制度では妻が別個に年金保険料を納めなくてもサラリーマンの夫が加入する年金から基礎年金を受け取ることができる。ところが提言書はこれを“不公平”として〈第3号被保険者に月3千円程度の少額でよいから保険料の支払いを求める〉と要求しているのだ。月額3千円といえば、年額3万6千円。主婦にとって、この金額は決して「少額」ではない。

 

専業主婦に新たな負担を求める改革プランの第2は「健康保険制度」の見直しだ。現在、夫がサラリーマンの専業主婦は、健康保険料を納めなくても被扶養者として夫の加入する健康保険証を利用することができる。ところが、提言書はこの被扶養者にあたる専業主婦に対して、同じく月額3千円程度の保険料負担を強く求めているのだ。先の年金保険料と合わせれば、実に年額7万2千円にも上る負担増。専業主婦世帯にとっては大きな痛手だ。

 

「提言書をまとめた有志議連は、安倍政権の第1次成長戦略の発表を受ける形で、昨年11月に発足している。ザックリいえば、安倍総理の考える成長戦略を具体化し、実現への道筋をつけていく別働隊。中でも、配偶者控除の廃止と2つの保険料の新設は、今回の提言のキモとなる3点セットといわれています」(自民党幹部)

 

この“2つの改革プラン”については、すでに財務相や厚労省など関係省庁で法制化の下準備が進められている。“女性が働きやすい社会”を目指すその陰で、専業主婦を一掃するような政策がいま、着々と進められようとしている――。

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